エルヴィス・プレスリーと同時期デビューのロイ・オービソン
ロイ・オービソンは1955年5月末、南部をツアー中のエルヴィスと、テキサス州オデッサの地元テレビ番組で共演している。
同年には、ロイの録音した「トライン・トゥ・ゲット・トゥ・ユー(おまえが欲しくて)」もある。
またエルヴィスの2作目の映画『さまよう青春』の挿入歌「ミーン・ウーマン・ブルース」(1957年)を、ロイはカバーして63年にヒットさせた。
エルヴィスは素晴らしい歌い手であるロイ・オービソンに、一目も二目も置いていたようで、歌を上手く歌えない時には「誰かロイ・オービソンを呼んできてくれ。歌い方を習いたいんだ。」とまわりの人達に言っていたという。
このようにエルヴィス・プレスリーから「最も偉大な歌手」と言われ、「ザ・ヴォイス」と呼ばれた男がロイ・オービソンであった。
またロイ・オービソンの大ヒット曲「オンリー・ザ・ロンリー」「ランニング・スケアード」の一部を、エルヴィスがふと口ずさんでいる音源が存在することは既に述べた。
エルヴィスとロイ・オービソンといえば、50年代にサン・レコードからデビューしたこと、60年代エルヴィスのナッシュビル・スタジオ・ミュージシャンとロイのそれが同じであること、など多くの共通点がある。
そしてさらに今回の歴史的名演ライブでロイ・オービソンのバックを固めているのは、69年以降のエルヴィスのライブ等で活躍した、70年代エルヴィスの代名詞ともいえるTCBバンドのメンバーである。
エルヴィス・フリークとしても有名なブルース・スプリングスティーンやエルヴィス・コステロもこの夜のライブにボランティアとして参加していることも不思議な因縁を感じさせる。
ブルース・スプリングスティーンのアルバム「明日なき暴走」(1975年全米1位)のジャケットには黒の革ジャンにエルヴィスのバッチをつけたヒゲの彼がいる。
ブルース・スプリングスティーンにとってこの夜のライブで、敬愛するロイ・オービソンと、さらにはエルヴィスのバック・バンドであったTCBバンドと同じステージに立てたということでその喜びようは容易に想像できる。
第11曲 キャンディ・マン(Candy Man)
Roy Orbisonのアトランタ出身のバックバンドCandy Manはこの曲から命名された。Candy Manはバンド個体でもデビューし、その後アトランタ・リズム・セクションへと変貌していく。
「Crying」のB面に収録され、全米25位までいったフレッド・ニール&ビヴァリー・ロスの作品。オリジナルの楽器編成はギター2、ハーモニカ2、ベースギター、ドラムと極めてシンプルである。
十代の頃にコーデッツのNO.1ヒット「ロリポップ」を書いた女流ソングライター、ビヴァリー・ロスと、「うわさの男」や「ドルフィン」の作者でフォークシンガーのフレッド・ニールの共作で、ロイ・オービソンのために特別に書かれた。ニールにとっては最初のヒット曲となった作品。
この曲で「ミスター・ハーモニカ」と呼ばれるようになったチャーリー・マッコイがオリジナルでは吹いている。また長年にわたり世界第1位ハーモニカリフとなった作品でもある。
まずは歴史的名演から聴いてみたい。
イントロでロイとエルヴィスが吹くハーモニカとハモる粋なジェイムス・バートンのギター。
ジェリー・ジェフのロケンロールしてるベースラインもお見事。ロイはハーモニカでもかなりの腕前であることがよくわかる。
ドラスティックでドラマティックなR&Rピアノ。その鍵盤を滑るグレンの指先は楽しげに弾んでいる。ロックン・ロールから、バラードまで、なんでも上手に弾きこなすグレンの真髄をみることができる。
またこの曲から「ミーン・ウーマン・ブルース」までロケンローな曲が3曲続き、ラストに向けて盛り上がっていく。
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ライブ第11曲 Candy Man
オリジナルでハーモニカを吹いているのはチャーリー・マッコイである。
上の歴史的名演ではRoyとElvisの二人がイントロでハーモニカでハモっているのだが、オリジナルではハーモニカとブラスのように聞こえる(多分もう一本のハーモニカ)音が掛け合いをしている。
間奏ではハーモニカとエレキギターの掛け合いに変わる。
録音技術の時代による進化もあると思うのだが、オリジナルは楽器個々の音が明瞭ではなく全体にこもった音のような気がするのは仕方ないのだろう。
Royの歌い方もオリジナルでは声が若く、冒頭の歌詞「Just」を省略したり、「hand」の「d」がやけに耳に残る歌い方になっている。
それに比べると歴史的名演では、年月を経て磨きぬいたRoyの熟練の技が見事である。
またオリジナルではドラムをはじめとするリズムセクションが全体として目立たない一方で、歴史的名演ではロニーのドラムが前面に出てしっかりとリズムを刻んでいる。
スタジオ録音盤
この夜のライブにバックコーラスでボランティア参加していたBonnie Raittが1990年の追悼ライブでこの曲を歌っている。
Bonnie Raitt
BRIAN POOLE & THE TREMELOES
<歌詞>
Just come on baby,let me take you by the hand
Come on sugar,let me take you by the hand
Come to me,let me be
All your own candy,your candy,candy man
Come on baby,I love your honey loving ways
Baby sweet thing,I love your honey loving,your honey
loving ways
Come to me,let me be
All your own candy,candy,candy man
Just come on woman,gonna treat you right
Give you candy kisses every single night
Candy man,candy man,candy man,candy man
Come to me,let me be
All your own candy,your candy,candy man
Well,candy,candy,candy
I’ve got a sweet,sweet tooth for you
Well,candy,candy,candy
I’ve got a sweet,sweet tooth for you
Come to me,I’ve got to be your candy man
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