はじめに
昔からクラシック音楽をモチーフにしてポピュラー音楽を作るというのは行われてきた。
この「愛よ永遠に」もモーツアルト(Mozart)交響曲40番のサビの部分を使ったもので、いくつかの楽団のバージョンがある。
しかしどのバージョンが最も古いものか調べてみたがどうもよくわからない。日本でもウェルナー・ミューラー(Werner Muller)とレイモン・ルフェーブルのものはよく知られているが、他のものはあまりアップされていない。
ということで曖昧な記憶によれば60年代半ばではないかと推測されるいくつかの楽団を紹介するだけとする。
諸説分かれる「愛よ永遠に」
「愛を永遠に」という邦題でレコードを発表したのは、スペインで活躍したアレンジャー、ワルド・デ・ロス・リオス(Waldo de Los Rios)が最も早いという説もある。
ブエノスアイレス生まれで、母マルタはアルゼンチン・フォルクローレ界の重鎮だったとのこと。
ワルドは後にスペインに渡り、レコード・ディレクターの傍ら音楽家として活躍したという。
Werner Muller(ウェルナー・ミューラー)
1957年、リカルド・サントスの名前で「真珠採りのタンゴ」という大ヒットを放ったウェルナー・ミューラー Werner Müller (1920-1998)
戦時中、ドイツの軍楽隊に所属していて、ベルリンで連合国軍の捕虜となったという。ウェルナー・ミューラーは、ポリドール専属時代にリカルド・サントス楽団名でアルバム「Holiday in Japan」を大ヒットさせた。本CDの音源となったデッカ=ロンドン(テルデック)時代においても、日本民謡、日本の歌曲などを何度も再録音している。
Werner Muller他の演奏
Werner Muller
Raymond Lefevre
Danielle Licari
Waldo De Los Rios
オーケストラ演奏ではないが、アカペラコーラスが秀逸
The Real Group(スウェーデンのアカペラグループ)
クラシック曲をポピュラー・ソングとして蘇らせる伝統
・アル・ジョルソン。(ショパン「幻想即興曲」~「虹を追って」1918年)
・ペリー・コモもショパンの名曲「英雄ポロネーズ」に歌詞をつけて大ヒットさせた一連の『カバー・ソングス』の流れは、平原綾香「ジュピター」にもつながっている。
・60年代にはフランスのジャズ・ピアニスト、ジャック・ルーシェがバッハの作品を取り上げ、実にスウィンギーなジャズ・アレンジで一世を風靡した。
・フランスのコーラス・グループ、スウィングル・シンガーズ(ミシェル・ルグランの姉も在籍)のアルバム『ジャズ・セバスチャン・バッハ』も同じ頃に世界中で大ヒットした。
・日本では冨田勲の『惑星』『月の光』
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