はじめに
イギリスのロックバンド「ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)」の代表曲の一つがこの「サティスファクション(I Can’t Get No Satisfaction)」である。
65年にシングルが4週連続全米1位になり、ストーンズにとって初のミリオンセラーシングルで全世界の売り上げは500万枚。
楽曲解説
ミックのやや押さえ気味のボーカルによって幕を開ける主題部分では、キース・リチャーズのギター・リフに代わってブライアンのリード・ギターがミックのボーカルとのツイン・リードを形成する。
この曲で聴かれるブライアンのギターには、いつものような独特の粘っこさは感じられず、圧倒的なリズム・トラックに追い上げられるかのように切れ味の鋭いギター・プレイに徹している。
展開部からサビに至る部分では、再びキースのギター・リフが登場してイントロのリズム・トラックに戻り、このリズム・セクションが叩き出す軽快なロック・ビートに乗せて、ミックが感情を炸裂させるかのようなシャープで力強いロック・ボーカルを展開していく。
曲は、主題部分とサビの部分を交互に繰り返しながら進むが、サビを構成するリズム・トラックとこの部分でのミックのボーカル・パートが聴き手に強烈な印象を与える。
この曲は、キースのギター・リフと、表現力豊かでダイナミックなミックのボーカルというストーンズの両輪がそろってその存在感を際立たせたという意味で、ストーンズがその後に生み出すこととなる多くの名曲の原点をなす作品と言ってよいであろう。
名実ともに初期のストーンズを代表するナンバーの一つであるとともに、ストーンズの創作活動におけるターニング・ポイントとなった作品と考えられる。
この曲のリリース以前に「ノット・フェイド・アウェイ」や
「イッツ・オール・オーバー・ナウ」ですでにシングル・ヒットを記録していたストーンズではあるが、これらの曲は、いずれもバディ・ホリーや黒人ミュージシャンからのカバー・バージョンであった。
また、ストーンズにとって初の自作によるヒット・ナンバーとして知られる「ラスト・タイム」(1965年) は、ミックとキースによる共作とクレジットされたにもかかわらず、サビの部分はステイプル・シンガーズ作品からの借り物に過ぎなかった。
「ラスト・タイム」に続いて同年にリリースされた「サティスファクション」は、ミックとキースがそのオリジナリティを強くアピールした初めての作品であり、この曲の英米両国における大ヒットは、ミックとキースの二人に作曲家コンビとしての確固たる自信をもたらしたに違いない。
すなわち、この曲の成功が、その後のストーンズへ繋がる彼らの創作活動の原点を生み出すとともに、ミックとキースのコンビが前面 へ出ることによってブライアンの居場所を奪うというストーンズの歴史の必然を促すきっかけになったとも結論づけられるのではないだろうか。
The Rolling Stonesの動画
比較的新しいライブ映像
かなり古いTV映像
2013年のライブ映像
カバーセレクション
Aretha Franklin
Otis Redding
オーティスは「サティスファクション」の原曲を聞かずに楽譜だけで自分用の編曲をしたという。
発売時期もほとんど差がなかったことから、オーティスのカバーがオリジナルだと勘違いした人も当時多かったという。
オーティスのボーカルが、原曲よりもかなりアップ・テンポでグルーヴ感にあふれるなど素晴らしい一面 を有することは否定できない。
しかしながら、やや一本調子ぎみに歌い抜けるオーティスと較べると、原曲におけるミックのドラマティックなボーカルの表現力にはあらためて感心せざるを得ない。
Otis Reddingのライブ映像
Britney Spears
Junior Wells
Michelle Simonal(ボサノバ調)
Tom Jones
The Ventures
Acid Drinkers
The Supremes
Amanda Fondell
Madonna
<歌詞>
I can’t get no satisfaction
I can’t get no satisfaction
‘Cause I try and I try and I try and I try
I can’t get no, I can’t get no
When I’m drivin’ in my car
And that man comes on the radio
And he’s tellin’ me more and more
About some useless information
Supposed to fire my imagination
I can’t get no, oh no no no
Hey hey hey, that’s what I say
I can’t get no satisfaction
I can’t get no satisfaction
‘Cause I try and I try and I try and I try
I can’t get no, I can’t get no
When I’m watchin’ my TV
And that man comes on to tell me
How white my shirts can be
But he can’t be a man ‘cause he doesn’t smoke
The same cigarrettes as me
I can’t get no, oh no no no
Hey hey hey, that’s what I say
I can’t get no satisfaction
I can’t get no girl reaction
Cause I try and I try and I try and I try
I can’t get no, I can’t get no
When I’m ridin’ round the world
And I’m doin’ this and I’m signing that
And I’m tryin’ to make some girl
Who tells me baby better come back later next week
Cause you see I’m on losing streak
I can’t get no, oh no no no
Hey hey hey, that’s what I say
I can’t get no, I can’t get no
I can’t get no satisfaction
No satisfaction, no satisfaction, no satisfaction
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