はじめに
当ブログでも何回か登場しているハーマンズ・ハーミッツ(Herman’s Hermits)の65年のヒット曲。
オリジナルは1910年からイギリスのミュージック・ホールのスター歌手ハリー・チャンピオンの持ち歌として歌われていた。
それを65年にハーマンズ・ハーミッツがカバーして世界的ヒットとなった。
原題は「I’m Henry The Eight,I Am」邦題は「ヘンリー八世君」
ここで歌われている人物の名前は「ヘンリー」だが、語頭の「H」が発音されず、「N」の後に母音が入って「エネリー」と聞こえる。
ひょっとして、この曲で歌っているのは決して英国王「ヘンリー8世」のことではありません、「エネリー」という別人の事です、と、英国王室に対する、失礼に当たらないためのエクスキューズとしているのかな、とも思った。
しかしながら、曲中の名前アルファベットコールでは、ちゃんと「H-E-N-R-Y!」と叫んでいるので、そういう事でもない。
調べてみると、ロンドンの下町の言葉、「コックニー」の発音ということである。
「トゥデイ」を「トゥダイ」と言ったり、「メイフェア」を「マイフェア」と言ったり。“Is not she sweet?”を“Ain’t she sweet?”と言ったり(ビートルズ)するようである。
1910年オリジナルの貴重な音源 Harry Champion
Herman’s Hermits(ハーマンズ・ハーミッツ)
メンバー
Peter Noone (Vocals)
Keith Hopwood (Guitar)
Karl Green (Bass)
Derek Leckenby (Guitar)
Barry Whitwam (drums)
時流に乗ったハーマンズ・ハーミッツ
瞬間風速ではあるが、あのThe Beatlesをも抜いた唯一のバンドがHerman’s Hermits。
テレビの人気子役スターとして活躍していたPeter Noone(ピーター・ヌーン)が中心のポップ・グループ。
1964年から1966年にかけて本国イギリスはもちろんアメリカでの人気も半端じゃなかった。
1964年秋に発表されたデビュー1stシングル「朝からゴキゲン( I’m into Something Good)」がイギリスで大ヒットし、翌1965年、Beatlesに続いてアメリカに上陸。
この1965年のビルボード・トップ10の記録を見ると、2曲がNo.1に、3曲トップ10に入っている。
何故アメリカで人気獲得ができたかというと・・・、プロデューサーのミッキー・モスト曰く「Peter Nooneのアイドル的ルックスと、清潔感のある親しみやすいイメージで高い人気を得ることができた」し「何と言ってもPeter Nooneの顔が故ケネディに似ていたから」と分析していた。
キャッチーで覚えやすい楽曲、そしてボーカリストであるPeter Nooneの少年のように無邪気な歌声と茶目っ気があって親しみやすいキャラクター。
ティーンのハートを捉えるのに十分な魅力を兼ね備えていた。1966年には主演映画「ホールド・オン!」が封切られ、来日。
1967年に「見つめあう恋(There’s a Kind of Hush)」が大ヒット。
この後に全米ツアーを開始するが・・・・、彼らの前座として出演したバンドに完全に食われてしまった。その前座が・・・・The WHOだった。
さらにHerman’s Hermitsに追い討ちをかけるように、音楽も時代も様変わりしてきた。
1966年ごろから各バンドが独自の音楽世界を追求し始める。社会もアメリカのベトナム戦争に対しての反戦運動から始まったフラワームーヴメント文化を産み、それに伴い音楽もLSDなどの薬物を使用し精神の内面を表現するサイケデリック・ミュージックが主流となっていく。
The Beatlesから始まるブリティッシュ・インヴェイジョンの波に乗り、全米のチャートを賑わせたHerman’s Hermitsだったが、音楽性と社会の波に呑み込まれ、次第に失墜していく。
さてハーマンズ・ハーミッツだが本国イギリスでは現在二つのハーマンズ・ハーミッツが存在するようだ。ドラムのBarry Whitwam が率いるバンドとPeter Nooneのハーマンズ・ハーミッツ。
ハーマンズ・ハーミッツの動画
Herman’s Hermits(ハーマンズ・ハーミッツ)
エド・サリバンショーの映像
歌詞の内容
歌詞は歴史的に準えたものではなく真逆のシチュエーション。
結婚相手の女性が過去に7回結婚していて、旦那さんが皆ヘンリーという名前だった!と言うコミカルな雰囲気。
歌詞の内容は隣の未亡人と結婚した男の話で、過去の7人の男が全員ヘンリーだったので自分が八番目のヘンリーさと歌っているらしい。いやはやコミックソングというか、これで世界的ヒットとなったのだから驚きである。
有名なイギリス国王ヘンリー八世も古い資料によれば同じ綴りであったようだ。
イギリス国王のヘンリー八世はキャサリン妃を離縁してその侍女だったアンを王妃にしたことでローマ法王から破門され、以来イギリス国教会として独立の道を歩むようになったきっかけを作った人物である。
また6回も結婚したことでも有名な暴君だったらしい。その史実をひっくり返して発音が似たヘネリーという人物を作り出して歌っているのがこの歌になる。
その他のカバー
Joe Brown & the Bruvvers
Patty Duke
日本のカバー
瞳みのる
タイガースのドラマーで人気スターだったピー(瞳みのる)がタイガースの解散コンサートで最後にパフォーミングした曲。
その後は、即引退して慶應高校の教諭となりそれから38年近くタイガースの他のメンバーと一切の連絡を絶っていて元芸能人として、一度も公の場にも全く姿をあらわしていなくて、その筋の通し方はスゴイが、2009年に38年ぶりにジュリーや岸部一徳や森本太郎と再会したということである。
<歌詞>
I’m Henry the eighth, I am
Henry the eighth, I am, I am
I got married to the widow next door
She’s been married seven times before
And every one was an Henry (Henry)
She wouldn’t have a Willy or a Sam (No Sam)
I’m her eighth old man, I’m Henry
Henry the eighth I am
Second verse, same as the first
I’m Henry the eighth, I am
Henry the eighth, I am, I am
I got married to the widow next door
She’s been married seven times before
And every one was an Henry (Henry)
She wouldn’t have a Willy or a Sam (No Sam)
I’m her eighth old man, I’m Henry
Henry the eighth I am
I’m Henry the eighth, I am
Henry the eighth, I am, I am
I got married to the widow next door
She’s been married seven times before
And every one was an Henry (Henry)
She wouldn’t have a Willy or a Sam (No Sam)
I’m her eighth old man, I’m Henry
Henry the eighth I am
H-E-N-R-Y
Henry (Henry)
Henry (Henry)
Henry the eighth I am, I am
Henry the eighth I am
Yeah!
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