【66年サンレモ音楽祭入賞曲】花のささやき|ウィルマ・ゴイク

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はじめに

 ウィルマ・ゴイク(Wilma Goich)66年の邦題「花のささやき」(原題In Un Fiore)は日本のチャートでも上位にランクされ、ジリオラ・チンクエッティ等と並んでカンツォーネブームを担った一人。

 65年のサンレモ音楽祭入賞曲「花咲く丘に涙して(Le colline sono in fiore)」(記事末尾に掲載)と共に彼女の代表曲。作詞L・C・ドニーダ、作曲モゴール

 何度かコマーシャルでも使われた曲で、所謂カンツォーネのテイストをポップに仕上げ、イントロや間奏に現れるエレキギターのアルペジオが印象的な曲。

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ウィルマ・ゴイク(Wilma Goich)

プロフィール

 ウィルマ・ゴイク(Wilma Goich)は45年10月北イタリアのサヴォナ近郊カイロ・モンテノッテでユーゴスラビアから帰化した両親の間に生まれる。

 14歳の時に初めて聴衆の前で歌い、バランツァの新人コンテストに出場し、リコルディレコードと契約。

 両親の出身地は現在のクロアチアのダルマチア地方で、今風に表記するなら「ゴイッチ」となるようである。「ゴイク」がイタリア風ではないと思っていた疑問がこれで解消した。

 
 63年9月スペインのバルセロナで開かれた地中海フェスティヴァルにエミリオ・ペリコーリをパートナーとして、「愛のめざめ」を歌い優勝。この曲が日本でのデビュー曲となる。

 
 サンレモ音楽祭では65年「花咲く丘に涙して」、66年「花のささやき」、67年「ささやく瞳」と3年連続で入賞を果たし、いずれも日本でヒットした。

 66年のサン・レモ音楽祭大賞曲はジリオラ・チィンクエッティの『愛は限りなく』だったが、日本においては軽快な『花のささやき』の方がヒットしていた。

 彼女の曲は日本でもヒットし、65年にはボビー・ソロと一緒に、67年にはヤマハの世界歌謡祭出場で来日している。その澄んだ声と穏やかで柔らかな可愛らしい唄い方で人気があった。

 67年もサン・レモ音楽祭で「ささやく瞳」で入賞。また同じ67年には、夏のディスク・フェスティヴァルで「夜の想い」が3位に入賞し、大ヒットしている。

 そしてこの67年にエドアルド・ヴィアネロという男性歌手と結婚。そして69年にサン・レモ音楽祭で歌った「パーチ・パーチ・パーチ」を最後に引退している。

 この引退は出産のためであった。その後ウィルマは<ヴィアネラ>としてカムバックし、夫とデュエットで歌手活動を再開したのだが、このコンビもしばらく続いただけで離婚のため解消し、再びソロ歌手として再出発した。

 ただその後は日本でヨーロピアン・ポップスへの関心がガクンと落ち込んでしまったこともあり、情報もほとんどなくなってしまった。

 この『花のささやき』はその後おそらく90年代だろうが、アレンジを変えて再レコーディングしているし、カンツォーネをコンパイルした企画盤ではレゲエヴァージョンでやはり新録音している。

 CDではベスト盤が手に入るが、これも全て後年新録音したもの。

ウィルマ・ゴイク(Wilma Goich)の動画

日本発売盤のジャケット写真

 またこの曲は80年代にキリンビールのマインブロイのCMに使われた。

再発売盤のジャケット写真

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Wilma Goich(ウィルマ・ゴイク)

Wilma Goich – In un Fiore (1966)

マカロニウェスタン映画の中で歌うウィルマ・ゴイク

In Un Fiore – Wilma Goich

ビートを利かした別バージョン

Wilma Goich: In un fiore

Les Surfs(レ・サーフ)

 66年のサンレモ音楽祭でWilma Goichのパートナーとして歌ったフランスのグループ。

 マダガスカル出身の兄弟4人姉妹2人の6人組。この動画ではどういう事情か5人しかいない。

 平均身長148cmの小柄なグループで、かわいらしいということで、当時フランスで大変人気があった。

 サンレモ音楽祭にも何度か出場、71年に解散し、その後も別々に音楽活動を続けたが、メンバーのうち二人はすでに故人になっている。

♫ Les Surfs ♪ In Un Fiore (1966) ♫ Video & Audio Restaurati
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日本のカバー

 日本でも大ヒットしたので日本語のカバーも多かった。YouTubeにアップされてもすぐに削除される。

 リアルタイムではザ・ピーナッツがカバーしている。伊東ゆかりもカバーしていた。

 70年代にはアグネス・チャンがカバーしてシングルリリースしていたはず。その後内藤やす子なども。
 ナツメロというよりはかなりエヴァーグリーンな作品として定着しているのではないだろうか。

 これをフランス語に訳して歌っていたのがペトゥラ・クラーク。

 他にもザ・リリーズなども歌っていたはず。

ザ・ピーナッツ

花のささやき – ザ・ピーナッツ (歌詞CC付)

伊東ゆかり

花のささやき

いしだあゆみ

花のささやき19670330いしだあゆみ.m2ts

石嶺聡子

石嶺聡子「花のささやき」 In Un Fiore by Satoko Ishimine

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ウィルマ・ゴイクのもう一つの代表曲

「花咲く丘に涙して」

【歌えるオールディーズ 131】 花咲く丘に涙して (ウィルマ・ゴイク)

Le colline sono in flore

入賞した65年サンレモ音楽祭の20歳の彼女 レコード音源との合成

Wilma Goich Le colline sono in fiore

Gli occhi miei

68年サンレモ音楽祭で「ささやく瞳」を歌う彼女(67年の入賞曲のはずだが?) 3年の変化が著しい

Wilma Goich (Italia) – Gli Occhi Miei (Sanremo 1968) puesto 11 con 71 votos

「花咲く丘に涙して」ジリオラ・チンクエッティの日本語カバー

Gigliola Cinquetti 花咲く丘に涙して & Le Colline Sono In Fiore

<歌詞>

Se non corri tu potrai vedere
le cose belle che stanno intorno a te.
Non sai che in un fiore
c’è un mondo pieno d’amore
non sai che nei miei occhi c’è
amore per te.

Se non corri tu potrai trovare
in mezzo ai sassi
un diamante tutto per te.
Non sai che in un fiore
c’è un mondo pieno d’amore
non sai che nei miei occhi c’è
amore per te.
Non sai che in un fiore
c’è un mondo pieno d’amore
non sai che nei miei occhi c’è
amore per te.

Se ti fermi tu potrai capire
che hai corso tanto
ma sei rimasto sempre qui.
Non sai che in un fiore
c’è un mondo pieno d’amore
non sai che nei miei occhi c’è
amore per te.
Non sai che in un fiore
c’è un mondo pieno d’amore
non sai che nei miei occhi c’è
amore per te.
Non sai che in un fiore
c’è un mondo pieno d’amore
non sai che nei miei occhi c’è
amore per te



日本語訳

あなたが走らなければ、見えるはずだわ
あなたのまわりの美しいものが

あなたは知らないわ、花のなかに
愛に満ちた世界があることを
あなたは知らないわ、わたしの瞳のなかに
あなたへの愛があることを

あなたが走らなければ、見つけられるはずだわ
石ころのなかに
あなただけのダイアモンドを

あなたは知らないわ、花のなかに
愛に満ちた世界があることを
あなたは知らないわ、わたしの瞳のなかに
あなたへの愛があることを

あなたが立ち止まれば、わかるはずだわ
どんなに遠くまで走ったとしても
あなたがいつもここにいることを

あなたは知らないわ、花のなかに
愛に満ちた世界があることを
あなたは知らないわ、わたしの瞳のなかに
あなたへの愛があることを

日本語カバー歌詞 伊東ゆかり

愛して 私のすべてを
小さな花 私の瞳を
私のこの目を見れば あなたもわかるはずよ
恋する瞳が 花になることを

見つけて ふたりのために
砂の中の 真実(ほんと)のダイヤを
私のこの目を見れば あなたもわかるはずよ
恋する瞳が 花になることを

信じて 瞳の奥の
愛の花の そのかがやきを
私のこの目を見れば あなたもわかるはずよ
恋する瞳が 花になることを

私のこの目を見れば あなたもわかるはずよ
愛するこの目はいつも あなたのもの
私のこの目を見れば あなたもわかるはずよ
愛するこの目はいつも あなたのもの

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