【不本意な結婚前の花嫁】ラ・ノビア|アントニオ・プリエート

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ラ・ノビア(La Novia)

オリジナル

 『ラ・ノビア(La Novia)』は、カンツォーネの名曲としても知られているが、そのオリジナルは南米チリのポピュラー・ソングである。

 1958年にホアキン・プリエートが作詞作曲し、彼の弟で歌手兼俳優のアントニオ・プリエート(Antonio Prieto)が1961年にスペイン語で歌ってヒットさせたのが最初であった。

 その後イタリアに伝わり好評を得て、トニー・ダララ、ドメニコ・モデューニョ、クラウディオ・ビルラなどのスターシンガーがこぞって録音している。

日本での大ヒット

 日本ではこのカンツォーネを経由して知られ、あらかわひろしの日本語歌詞なども付けられ1962年ペギー葉山などによって歌われた。

 当時、日本では空前のカンツォーネ・ブームだったこともあり、国内ポピュラー・ミュージック売上げベスト20に1963年3月~1965年3月までの約2年間チャートインするロング・セールスを記録し、1964年4月から6月にかけての3ヶ月間No.1を獲得した大ヒット曲となった。1964年の『第15回NHK紅白歌合戦』にペギーはこの歌で出演している。

 彼女はこの歌を前半は日本語で、後半はポルトガル語で歌唱している。それは、彼女が1962年にブラジル・サンパウロ新聞の招きでサンパウロで公演。その折りにお土産の歌として持ち帰った歌だからで、現地の歌手に連日ポルトガル語の歌い方を教わり、帰国後レコーディングした。

邦題はいくつも変遷した

 ペギー葉山の初期のバージョンは、「泣きぬれて」というタイトルだった。

 ちなみに邦題は「涙の結婚」、「涙のウェディングベル」、「ザ・ウェディング」とカバーした歌手によって邦題が違っている。

初期の邦題「泣きぬれて」のジャケット

邦題「ラ・ノビア」で定着した頃のジャケット

 日本では岸洋子、越路吹雪(岩谷時子の訳詞で歌唱しており、歌詞の内容が大きく異なる)、美空ひばり、倍賞千恵子、ザ・ピーナッツ、五木ひろしなどが、カヴァーし、菅原洋一は「泣きぬれて」というタイトルでカヴァーしている。

 この歌のあらかわひろしによる日本語歌詞は、原詩オリジナルの内容をほぼそのまま表している。

日本よりかなり遅れて英語圏でもヒット

 フレッド・ジェイがこの歌を英語に翻訳すると(英語タイトルは The Wedding)、ヨーロッパとアメリカ合衆国で知られるようになり、1960年代前半には、アニタ・ブライアントやマルコム・ヴォーンら多数の歌手がこの歌をカバーした。

 1964年にイギリスの歌手ジュリー・ロジャースがこの歌をカバー(カバーセレクションの動画参照)、10月に全英シングルチャートで最高3位を記録する大ヒットとなると、

 翌年にはアメリカ合衆国の総合シングルチャートで最高10位を、アダルトコンテンポラリ・チャートでは1位を記録する。

 オーストラリアのケント・ミュージック・レポートでも1位を記録し、1970年代中頃には世界で700万枚以上の売上を記録した。

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歌詞の意味

 この曲で歌われているのは本意でない結婚を前にした女性の悲しみである。

 『ラ・ノビア』は、ここでは『花嫁』の意味で使われ、複雑な感情表現が歌われている。

 歌詞の内容は不本意な結婚をした花嫁の悲しい気持ちを歌っているのだが・・・。
♪~祭壇の前に立ち 偽りの愛を誓い 十字架に口づけして 神の許しを願う
と唄うサビの歌詞にそれがある。

 そして、
♪~その目に溢れる 一筋の涙を 私は知っている アヴェ・マリア
にある「私は」とは、誰なのか?実はこの「私は」は彼女が想った男の人なのだ。
オリジナルのスペイン語歌詞の訳は以下の通り。

♪~花嫁は白く輝きながら進む。
その後ろに続くのは、彼女を愛する新郎
彼ら二人のハートが結ばれる時
僕の夢は消えうせてしまうだろう

♪~祭壇の前で彼女は泣いている
皆は彼女が嬉し涙にむせているのだと言うだろうが
心の奥深くで叫んでいるのだ
マリア様!と

♪~誓いの「はい」と答える彼女は、また嘘をつく
十字架に口づけをする時には許しを求めるのだ
彼女が愛したのは彼ではなくてこの僕なのだ
という事を彼女が決して忘れる事が出来ないのを
僕は良く分かっているのだ
マリア様!

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アントニオ・プリエート(Antonio Prieto)

 1926-05-26:チリ共和国タラパカ州イキケ市生まれ。誕生名「Juan Antonio Espinoza Prieto」で俳優,歌手として活動。

 1954年からアルゼンチン,メキシコ両国でも映画出演を始め、1961年に出演したアルゼンチンのミュージカル・コメディ映画「La Novia」が出世作となり、同映画からタイトル曲「La Novia/ラ・ノビア(泣きぬれて)」がイタリア,スペイン,メキシコなどでヒット

 同曲はイタリアの「Tony Dallara/トニー・ダララ」などがカヴァーしたことにより世界的なヒットとなった。

 また『荒野の用心棒』でのドン・ミゲル・ロホ役でも知られる。

アントニオ・プリエート(Antonio Prieto)の動画

オリジナル盤ジャケット

日本発売盤ジャケット ここでは邦題が「涙の結婚」となっている

Antonio Prieto

映画の中で歌うアントニオ

TV映像



92年ライブ

カンツォーネ版ー日本はむしろこれから影響を受けた

Tony Dallara

カバーセレクション

Julie Rogers

 英題「The Wedding」で大ヒット

 全英シングルチャートで最高3位、米国総合シングルチャートで最高10位・アダルトコンテンポラリ・チャートでは1位

 1970年代中頃には世界で700万枚以上の売上

Enrico Musiani

Gary

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Connie Francis

Domenico Modugno

Claudio Villa

日本のカバー

 邦題は「泣きぬれて」ペギー葉山がブラジルに招待されて行った時、隣国のアルゼンチンの大ヒット曲であったこれを聞いて日本に持ち帰り自分のレパートリーにしたものである。

 日本ではトニー・ダララのバージョンもヒットしたため、この曲のことをカンツォーネと勘違いしてる人も多い。

ペギー葉山

96年のTV映像

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倍賞千恵子

岸洋子

宇崎竜童

菅原洋一

クロード・チアリ

<歌詞>

Antonio Prieto スペイン語

Blanca y radiante va la novia
Le sigue atrбs un novio amante
Y que al unir sus corazones
Harб morir desilusiones

Ante el altar estб llorando
Todos dirбn que es de alegrнa
Dentro su alma estб gritando
Ave Marнa!

Mentirб tambiйn al decir que sн
Y al besar la cruz pedirб perdуn
Y yo se que olvidar nunca podrнa
Que era yo aquel a quien querнa

Blanca y radiante valanovia
Le sigue atrбs un novio amante
Y que al unir sus corazones
Harб morir desilusiones

Ante el altar estб llorando
Todos dirбn que es de alegrнa
Dentro su alma estб gritando
Ave Marнa!
Ave Marнa!

Tony Dallara イタリア語

Bianca e splendente va la novia
Mentre nascosto tra la folla
Dietro una lacrima indecisa
Vedo morir le mie illusioni

La sul altare lei sta piangendo
Tutti diranno che ? di gioia
Mentre il suo cuore sta gridando
Ave Maria

Mentirai per che
Tu dirai dissi
Pregherai per me
Ma dirai dissi io lo so
Tu non puoi dimenticare
Non soffrir per me anima mia

Las sul altare lei sta piangendo
Tutti diranno che ? di gioia
Mentre il suo cuore sta gridando
Ave Maria
Ave Maria
Ave Maria
Ave Maria

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