【本邦公開時に上書きされた】夜霧のしのび逢い|クロード・チアリ

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はじめに

 日本では1965年同名のギリシャ映画のサウンドトラック盤で大ヒットとなった。

 スペイン語の原題「La Playa」「浜辺」の意味である。邦題は「夜霧のしのび逢い」

 映画の本邦公開に当たり既にヒット曲としてあった曲をサウンドトラックに貼り付けるという荒業をやってのけた。

 この結果、全く縁もゆかりも無かった映画と音楽が結び付き、曲名も映画の邦題に合わせて変更され、サウンドトラック盤として大ヒットするという今なら考えられないことが起こった。

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曲の由来

 1964年ベルギーのバンド「ロス・マヤス(Los Mayas)」のリーダーであるジョー・ヴァン・ウェッター(Jo Van Wetter)の作曲。

 映画のために作曲されたものではなく、この映画が封切りされる前には「ひとりぼっちの浜辺」というタイトルでラジオからよく流れていたヒット曲であった。同年ロス・マヤスは来日している。

 同年当時若手のギタリストとして注目されていたクロード・チアリ(Claude Ciari)のカバーが45か国でヒットし、フランスのACCディスク大賞を受賞するなど世界的にヒットした。

 さらに同年女優のマリー・ラフォレ(Marie Laforet)が歌う3か国語のバージョンが作られた。
①フランス語バージョン「La plage(浜辺)」ピエール・バルー作詞 海辺の恋の物語
②スペイン語バージョン「La playa」フランシスコ・カレーラス作詞 浜辺での恋の物語
③イタリア語バージョン「E se qualcuno s’innamorera di me」ダニエレ・パチェ作詞 まだ見ぬ恋人を待ちわびるギタリストの話

 このような状況のもとに、輸入された映画フィルムにはこのテーマ曲は影も形もなかったのだが、1965年の本邦公開にあたってタイトルバックとエンディングにクロード・チアリのギター演奏をサウンド・トラックに貼り付けたため、「夜霧のしのびあい」という邦題でレコードがリリースされた

 そのため原曲の「ひとりぼっちの浜辺」というタイトルのすべてのレコードが強引に「夜霧のしのびあい」に改名されてしまった。

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クロード・チアリ(Claude Ciari)

 哀愁のギタリストとして世界を演奏旅行するうち、日本が気に入り日本人と結婚し神戸に落ち着く。

 やがて日本に帰化し、智有蔵上人に改名した。

映画「夜霧のしのび逢い」

 1963年にギリシャで製作された映画で、原題は”τα κοκκινα φαναρια”で英語題名が「The Red Lanternes」、監督はヴァシリス・ジョルジアデス(Vassilis Giorgiadis).。

 アレコス・ガラノスの戯曲を彼自身が脚色。公娼制度が廃止される前後のギリシャの港町を舞台に、娼婦たちのさまざまな恋や生活を描いた風俗ドラマ。
 同年のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。

映画のチラシ

クロード・チアリの演奏

クロード・チアリ(Claude Ciari)

クロード・チアリ(Claude Ciari)のギターが冴え渡っている。


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オリジナル

ロス・マヤス(Los Mayas) 「ひとりぼっちの浜辺」

作曲者のグループが演奏しているこちらがオリジナルと思われる

Τα Κόκκινα Φανάρια (1963) 

こちらが本来の映画の主題歌と思われる

マリー・ラフォレ(Marie Laforet)のカバー

マリー・ラフォレ(Marie Laforet)

フランス語バージョン「La plage」

スペイン語バージョン「La playa」

上の仏語から翻案されたようで内容はかなり異なってるらしい。

イタリア語バージョン「E se qualcuno s’innamorera di me」

その他のカバー

グラシェラ・スサーナ(Graciela Susana) 日本語

ベンチャーズ

日本語カバー

越路吹雪

和田弘とマヒナスターズ

YouTubeでは削除されたが見つけた。リンクでどうぞ

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三根信宏

サムテイラー

サックス演奏でも聞かせてくれる。

<歌詞>

作詞:ピエール・バルー、作曲:ジョー・ヴァン・ウェッター

日本語詞:岩谷時子

雨に濡れながら 夜ごとに心求めあう街角
切なくひと夜の夢結ぶ はかない恋よ

降り注ぐ雨 手のひらに 唇をつけて吸おうよ

静かにほほえみ浮かべては 交わそう 愛を

胸の乾きいやして また別れる街角

名も知らずに抱き合う あすのない街角

雨は恋を運んでくる 貧しい女の胸にも

口づけはいつも ほろ苦い涙の雨よ

ほろ苦い涙の雨よ

La Plage (La Playa)

Quand sur la plage tous les plaisirs de l’été

Avec leurs joies venaient à moi de tous côtés

L’amour offrait l’éternité

A cette image de la plage ensoleillée

C’est bien dommage mais les amours de l’été
Bien trop souvent craignent les vents en liberté

Mon coeur cherchant sa vérité

Vient faire naufrage sur la plage désertée.

Le sable et l’océan

Tout est en place

De tous nos jeux pourtant

Je perds la trace

Un peu comme le temps

La vague efface

L’empreinte des beaux jours
De notre amour.

Mais sur la plage le soleil revient déjà

Passe le temps le coeur content reprends ses droits

A l’horizon s’offre pour moi

Mieux qu’un mirage une plage retrouvée

Mieux qu’un mirage c’est la plage ensoleillée.

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