はじめに
テキサスの高校の英語教師ヴァージル・ジョンソン(Virgil Johnson)が生徒と結成したドゥワップグループ、ヴェルヴェッツ(The Velvets)。
教え子たちの卒業と同時にヴァージルも教職を辞し、プロの世界に飛び込んだという変わり種。
デビュー後は鳴かず飛ばずの時期が続き、ようやく61年に「夢のお月さま(Tonight(Could Be The Night))」がスマッシュ・ヒット(全米26位)を記録する。
61年に原題「Lana」として発売されたものが、日本で64年に邦題「愛しのラナ」として大ヒット
教師と教え子という変則グループの誕生
教え子のマーク・プリンクスとクレアランス・リグスピーの2人がデュエットで歌っているのを聴いた先生のヴァージル・ジョンソンがヴォーカル・グループを作ってはどうかと提案。
先生であるヴァージルがリーダーとなり、さらに教え子であるロバート・サースピーとウィリアム・ソロモンを誘い、58年11月に黒人5人でヴェルベッツが誕生した。
卒業後の61年にモニュメント・レコードの経営者フレッド・フォスターに認められてレコードを吹き込みナイトクラブに出演したり各地に演奏旅行に出かける。
そこで吹き込んだ「Tonight(could be the night)」(日本語タイトル“夢のお月様”)がヒット。ようやく人気グループの仲間入りを果たした。
日本では「愛しのラナ(Lana)」が61年に「Laugh」のB面で発売されたがヒットせず、63年になってA面とB面を入れ替えて発売された日本だけで半年にわたり長期間大ヒットした。「夢のお月様」はその後の1964年に日本でヒットした。
こうして彼らは「愛しのラナ(Lana)」がかろうじてチャートインしたものの、8枚のシングルを残しただけで、アルバムが発表されることも無かった。ロイ・オービソン作。
記憶が曖昧だが日本でスリーファンキーズその他がカバーしていたはずだが、見つからなかった。
ヴェルベッツの特徴としては、他の黒人ドゥワップ・グループに比べあまりアクが強くなく、聴いた後に印象が残ることである。これが本国アメリカよりも日本で人気を得た所以と思われる。
シンバルが歯切れがよく、メロディーも伸びやかで明るく、聞いていて楽しくなる曲。
オリジナル
The Velvets(ヴェルヴェッツ)
作曲者自身のカバー Roy Orbison(ロイ・オービソン)
SÉRGIO REIS ブラジルの歌手
日本のカバー
記憶が曖昧だが日本でスリーファンキーズその他がカバーしていたはずだが、見つからなかった。
ところが「夢のお月さま」が「Doo-Wop! Tonight」という邦題で大瀧詠一プロデュースでザ・キングトーンズにより80年に日本でリリースされていた。
シャネルズ
Doo-Wop! Tonight ザ・キングトーンズ
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もう一つのヒット
順序が逆になったが本家をどうぞ。日本での当初の邦題は「今宵こそは」。
夢のお月さま(Tonight(Could Be The Night)) The Velvets
<歌詞>
Ling-a Ling-a-ling-a
Ling-a Ling-a-ling-a
Ling-a Ling-a-ling-a Ling
Ling-a Ling-a-ling-a
Ling-a Ling-a-ling-a
Ma-ma-ma-ma ma-ma-ma-ma-ma
Oh, beautiful Lana
I told it my mama
And my dad
What I had
Was the sweetest
And the neatest
Little girl
In the world
Oh La-La-La-La Lana
Oh La-La-La-La Lana
O- Oh Lana
O- Oh Lana
Don’t make me blue
O- Oh Lana
Don’t make me blue
Don’t you know
Don’t you know
I love you
Ling-a Ling-a-ling-a
Ling-a Ling-a-ling-a
Ling-a Ling-a-ling-a Ling
Ling-a Ling-a-ling-a
Ling-a Ling-a-ling-a
Ma-ma-ma-ma ma-ma-ma-ma-ma
Oh beautiful Lana
Don’t you know that I wanna
Hug and kiss you
And Let you know that I miss you
While we’re apart
Oh my heart
All it can say is
L-A-N-A
L-A-N-A
L-A-N-A
L-A-N-A
Lana
Oh La-La-La-La Lana
Oh La-La-La-La Lana
Oh La-La-La-La Lana
Oh La-La-La-La Lana
コメント
愛しのラナ、懐かしくて拝見しました。親のレコードを聴いて育ちましたのであまり級友とは音楽的な好みは合わずじまいでした。昔はいい歌いっぱいあったなーと思います。今の曲もそれはそれで良いのでしょうけれど。
私の中では愛しのラナや悲しきラグドール、オキフェノーキーが懐かしい名曲です。
はじめまして
中学生の頃からこのようなオールディーズにはまっておりました。お若い方にも理解者がおられたなんて幸せです。