【映画の主題歌】恋のパームスプリングス|トロイ・ドナヒュー

Artist(English)
スポンサーリンク

はじめに

 アメリカのTVドラマ「サーフサイド6」や「サンセット77」でかっこいい二枚目を演じ大人気だったトロイ・ドナヒュー(Troy Donahue)の63年の主演映画「パームスプリングスの週末」(日本公開は64年)の主題歌である。

 原題「Live Young/Palm Springs weekend」、邦題「恋のパームスプリングス」

米国シングル盤ジャケット

日本発売盤ジャケット

スポンサーリンク

トロイ・ドナヒュー(Troy Donahue)ヒストリー

デビューからすぐ人気者に

 北欧系(スウェーデン)で金髪に青い目、スラりと背が高くおまけにハンサムでマッチョな“トロイ・ドナヒュー(Troy Donahue)”は36年生まれニューヨーク出身のお坊ちゃま俳優である。

 コロンビア大学で学び57年に「翼にかける命」で映画デビューし50年代後半から60年代前半まで青春映画スターとして活躍する。

 実際の年齢よりずっと若く見える甘いマスクのドナヒューはWarner Brothers(ワーナー映画社)のドル箱スターだった。

 サンドラ・ディーと共演した「避暑地の出来事(A Summer Place)」(後半に動画)や、コニー・スティーブンスと共演した「二十歳の火遊び(Parrish)」(後半に動画)ではその爽やかな魅力をいかんなく発揮し、一躍人気スターとして若者からの絶大な人気を得る。

 引き締まったボディのトロイ・ドナヒュー(Troy Donahue)は当時流行のビーチムービーの花形となり、1950年代後期から1960年代前半には押しも押されぬティーンのアイドル・スターで、トロイ・ドナヒューの写真が載らない映画雑誌なんて無いくらい人気者であった。

 コロンビア大学でジャーナリズムを勉強中にスカウトにされたというトロイ・ドナヒュー(Troy Donahue)のメジャーな映画デビューはドナヒューと同じ北欧系(デンマーク)のDouglas Sirk(ダグラス・サーク)監督の1958年の「The Tarnished Angels(翼に賭ける命)」だが、同じくダグラス・サークが監督した1959年の「Imitation of Life(悲しみは空の彼方に)」にも出演している。

 この映画では主役級ではなかったが平素は穏やかな好青年を演じるトロイ・ドナヒューが人種差別をする若者を演じている。

アイドルスターから絶頂期

 既にティーンアイドルだったサンドラ・ディーと共演した「Summer Place(避暑地の出来事)」によりトロイ・ドナヒュー(Troy Donahue)は一躍アイドルスターの座を獲得し、青春メロドラマのプリンスとなった。

 「悲しみは空の彼方に」では「避暑地の出来事」に続いてやはりサンドラ・ディーと共演している。 

 ところがトロイ・ドナヒューは「恋愛専科」で共演したスザンヌ・プレシャットと結婚、サンディは19歳で「九月になれば」で共演したBobby Darin(ボビーダーリン)に見染められて結婚した。

落ち目になったアイドルの晩年は・・・

 「避暑地の出来事」の以降、暫くはトロイ・ドナヒュー(Troy Donahue)が主演で連続して青春メロドラマが作られたが、ドナヒューの主なファンは当時大学生だったから彼女らの成長とともに徐々に離れていき、その次の世代は時代の流れでもっと過激なロックスターに現を抜かすこととなる。

 30歳にして早くも体形の崩れたトロイ・ドナヒューは次第に端役に甘んじ、1974年にはFrancis Ford Coppola( フランシス・フォード・コッポラ)監督のThe Godfather Part II(ゴッドファーザーPART II)に端役で出演したが、その名はなんとMerle Johnson(マール・ジョンソン)、つまりトロイ・ドナヒューの本名であった。

 そんなこんなで、アルコール依存とドラッグで身を滅ぼすことになり、一時はニューヨークでホームレスにまでなったと伝えられた。(法的資産凍結?)

 しかし90年代には再びB級映画に出演してなんとか持ち直したトロイ・ドナヒューだったが、2001年に65歳で死因は心臓発作で亡くなった。

スポンサーリンク

彼の人気を象徴するTVドラマは日本でも見られた

SurfSide 6 & Hawaiian Eye

 1950年代後半から1960年代にかけてテレビで私立探偵シリーズが流行ったが、Warner Brothers(ワーナーブラザーズ)は何本もの人気シリーズをABCテレビに提供した。

 ホノルルを舞台にしたHawaiian Eye(ハワイアンアイ)に続いて若者に人気だったのがマイアミ・ビーチの私立探偵を描いたSurfSide 6(Surfside Six/サーフサイド・シックス)”で、トロイ・ドナヒューが出演して1960年から1962年まで放映された。

 ハリウッドスターのゲスト出演が魅力のサンセット通り探偵事務所を舞台にした”77 Sunset Strip(サンセット77)”の人気にあやかって制作された「サーフサイド6」はハリウッドの探偵事務所ではなく波止場のクルーザーというのが斬新だった。

TVドラマ 77 Sunset Strip(サンセット77)

 トロイ・ドナヒュー(Troy Donahue)がSandor “Sandy” Winfield II (サンディ)を演じ、Dave Thorne(デイヴ)役のLee Patterson(リー・パターソン)と共に人気であった。

 ダフネ役のDiane McBain(ダイアン・マクベイン)は1961年の映画「二十歳の火遊び(Parrish)」(後半に動画)や1963年の騎兵隊とアパッチ・インディアンとの戦いを描いた「A Distant Trumpet(遠い喇叭)」でも共演した。

A Distant Trumpet(遠い喇叭)ポスター

 60年代にはCMモデルをはじめTVドラマやエルヴィス・ガールと呼ばれた売れっ子のマクベインはいわゆるブロンド美人で、ワーナー映画ではGrace Kelly(グレース・ケリー)とまではいかないまでもポスト” Carroll Baker(キャロル・ベイカー)”だったが70年始めに結婚(2年)したので10年ほどでメジャーな映画女優活動は終わり引退同様だった。

 ちょっとおすましの大変洗練された美貌の持ち主だったが、今なお信じられないほど綺麗でエレガントだったという。

 同じく1963年にトロイ・ドナヒューが軍曹を演じた「遠い喇叭」で共演した聡明そうな美人女優のSuzanne Pleshette(スザンヌ・プレシェット)の方と結婚した。

 サンドラ・ディーが1961年に「九月になれば」で共演したボビー・ダーリンと電撃結婚をした後のことであった。

映画「九月になれば」抜粋で流れる主題歌

 「サーフサイド6」と類似した私立探偵のTVシリーズである「Hawaiian Eye(ハワイアンアイ)」は1959年から1963年まで放映されたが、1959年というと丁度ハワイがアメリカの州となった時期だったのでお祝いムードも相まって結構人気があった。

 ホノルルが舞台となっているがハリウッドで撮影されたハワイ版「サンセット77」。 トロイ・ドナヒューは「サーフサイド6」の後の1962年から1年間をレギュラーとして出演している。

 ちなみにトロイ・ドナヒューは「サンセット77」にも駐車場係りのKookie(クーキー)の代役としてちょっと出演したこともある。 なにしろ全部ワーナーの作品だから「サンセット77」の出演者が「ハワイアン・アイ」にも顔を出した。

 「ハワイアン・アイ」のオリジナルメンバーの写真が見られるHawaiianEye – Epguides.com

 トロイ・ドナヒューがメンバーになった時期(4シーズン)の写真が見られるHawaiian Eye – CTVA US Crime

人気TV番組Hawaiian Eye(ハワイアンアイ)イントロ場面

 「Hawaiian Eye(ハワイアンアイ)」のブロンド美女はRowdies(ローハイド)にもゲスト出演したことがあるConnie Stevens(コニー・スティーヴンス)

 元々ティーン・アイドル歌手のコニー・スティーヴンスは「ハワイアンアイ」ではクラブの歌手役で毎回歌っていたが、「サンセット77」で人気の駐車場係りのクーキーとKookie, Kookie, Lend Me Your Combなんていう曲をデュエットして大ヒットさせている。

 コニー・スティーヴンスの可愛い歌声はElvis Presley(エルヴィス)もお気に入りだった。

 コニー・スティーヴンスはエルヴィス・プレスリーだけでなくトロイ・ドナヒューとも友人関係が続きドナヒューが亡くなる前日にも見舞っていたという。

 60年代前半の日本のお茶の間では彼のアイドル人気は高く、現代のブラビ人気にも相当するほどであった。

 金髪、碧眼、長身、マッチョ、甘いマスク、育ちの良さといったモテモテ男の条件を全て兼ね備えた彼に対して筆者はあまりにも違い過ぎてジェラシーを感じることも無かった。

 むしろベトナム戦争の影が無い時代の豊かなアメリカ社会の若者群像に素直な憧れを感じていた。

 今改めて彼の映像・音楽を鑑賞すると、演技も歌もそれほどでもないことに気がついた。

 しかしそれもまた豊かなアメリカ社会の代表としてのお坊ちゃま俳優として彼の存在価値があったのだと思う。

 日本にも同じような立場の方がおられたような気がする。

Troy Donahue(トロイ・ドナヒュー)の動画


映画の中で歌っている



「トロイ・ドナヒュー」トリビュート

61年映画「Parrish(二十歳の火遊び)」

映画「二十歳の火遊び(Parrish)」パンフレット


62年映画「恋愛専科」

59年映画「避暑地の出来事」のサンドラ・ディーと

映画「避暑地の出来事(Summer Place)」


61年映画「スーザンの恋(Susan Slade)」

スーパーニッカCM

映画「パームスプリングスの週末」

スポンサーリンク

コメント