恋のほのお|【現実には存在しないバンド】エジソンライトハウス

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バブルガム・ミュージックとは

 何回か取り上げたバブルガム・ミュージック。60年代末から70年代初めにかけて10代向けの明るく軽く覚えやすいポップスのことである。

 ベトナム戦争真っ盛りの暗い時代で知的な若者達がウッドストックに代表される音楽を通して社会に訴えかけるのがカッコいいという風潮があった。

 バブルガム・ミュージックはこの対極にあった運動で、詞はノーテンキ、曲はキャッチー、作り方もスタジオ・ミュージシャンが集まって作り、一人のアーティストが複数の名を使い複数の架空のバンドでレコーディングするというものだった。

 このエジソン・ライトハウス(Edison Lighthouse)、現実には存在しないバンドでリード・ボーカルトニー・バロウズ(Tony Burrows)はこのてのスタジオ・ミュージシャンでは第一人者だったらしい。

 アレンジもストリングスがリズムを刻みオーケストラがバンドとからむのが当時の特徴である。

 現在YouTubeにアップされているエジソン・ライトハウスで歌っているのはPVを含め殆どがTony Burrowsではない。

 レコード録音と一部のTV出演に限定された契約だったようで大部分の人は別の人物を彼と思い込んでいる可能性が高い。

 実際イギリスのTV番組に出演した3つのバンドで彼は掛け持ちで歌ったという記録が残っている。この辺りの事情はここに詳しい。 

『最も有名な無名の人 トニー・バロウズ』
☆エジソン・ライト・ハウス/恋のほのお☆ホワイト・プレインズ/恋に恋して☆ザ・ピプキンズ/ギミ・ダッ・ディン☆ブラザーフッド・オブ・マン/若者の歌(二人だけの…
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トニー・バロウズ(Tony Burrows)って誰?

決して有名とは言いがたいこのバロウズ氏、セッション・ヴォーカリストとしてさまざまなバンドやグループを渡り歩いた・・・いや、足跡を残したミュージシャンである。

 一所には決して安住することなく、アッチに行っては歌い、コッチに来ては歌い・・・を繰り返してきた人。契約した場所や時間で「つつがなく歌うこと」を仕事にしていた職人的なミュージシャンである。

 こういうタイプのミュージシャンは、通常は表に名前が出にくいもの。けれどもこの人は、知る人ぞ知るという御仁でもある。それはなぜか?

 1970年に全英1位、全米5位の大ヒットとなったエジソン・ライトハウス(Edison Lighthouse)「恋のほのお(Love Grows)」、この曲のヴォーカルを努めたのがトニー・バロウズ。

 それとまったく同時期にヒットしたホワイト・プレインズ「恋に恋して(My Baby Loves Lovin’)」

ブラザーフッド・オブ・マン「若者の歌(二人だけの世界)(United We Stand)」

ピプキンズ「ギミ・ダッ・ディン(Gimme Dat Ding)」もぜ~んぶトニー・バロウズが歌っている。

 あの伝説の音楽番組、英国BBCの「トップ・オブ・ザ・ポップス」では、1つの番組中にエジソン・ライトハウス、ホワイト・プレインズ、ブラザーフッド・オブ・マンの3つを掛け持ちして歌ったとか!(これはWikipediaに掲載されていた情報)・・・フツーはあり得ない、こんなこと。

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大ヒットしてしまった「恋のほのお(Love Grows)」

 そんなイギリスのポップグループのエジソン・ライトハウスが70年に全英1位全米5位という大ヒットを放ったのが「恋のほのお(Love Grows)」。原題は「Love Grows (Where My Rosemary Goes)」

 エジソン・ライトハウスは、トニー・マコウレイとトニー・バロウズ以外のメンバーはスタジオ・ミュージシャンにより構成された、言わば実体があって、なかったようなグループだ。

 しかし、マコウレイはプロモーション戦略上、ビデオやジャケット用に代役を用意し、擬似バンドの肖像を作り上げたのである。

 マコウレイは、ファンデーションズ/フライング・マシーン/マーマレードなどの数多くのヒットを生み出したことで知られる、ソングライター/プロデューサーだ。

 かたやバロウズは、ケストレルズ/フラワー・ポット・メン/ホワイト・プレインズでリード・ヴォーカルを担当。–比類無き両者の才能は、エジソン・ライトハウスでも十二分に発揮されたのである。

 そして、表情豊かなヴォーカル/華やかな女性コーラス/メランコリックなメロディ/叙情的なストリングスが絶妙にブレンドされた70年の「恋のほのお」は全英No.1を獲得した。

短命に終わったエジソン・ライトハウス

 しかし同時に、バロウズのソロ名義やバンド名義での活動が活発化。

 グループは歯車が合わないまま作品をリリースするがヒットには至らず、失速していく……。

 71年には、マコウレイとバロウズが共に脱退。

 サウンド制作にアーノルド・マーティン・モロー、ヴォーカリストにデヴィッド・マーティンを新たに迎え、再建をはかるものの失敗に終わる。

 –短命ではあったが、エジソン・ライトハウスがソフト・ロック界に与えた影響は計り知れない。

エジソン・ライトハウスの動画

Edison Lighthouse

Edison Lighthouse – Love Grows (Where My Rosemary Goes)

PV(Tony Burrowsではない別人が歌ってる)

edison lighthouse – Love grows where my rosemary goes

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イギリスのTV番組「Top Of The Pops」で本物のTony Burrowsが歌っている貴重な映像

BBC「Top Of The Pops」の映像70年1月

BBC Top of the Pops Archive of Edison Lighthouse Love Grows

同上70年2月

Edison Lighthouse – Love Grows (Where My Rosemary Goes) (Top Of The Pops 5/2/1970)

カバーセレクション

Freedy Johnston(映画のサウンドトラック)

Little Manhattan Soundtrack – "Where My Rosemary Goes" by Freedy Johnston

Schytts

Schytts – Love grows (where my rosemary goes)



Jefferson

Jefferson – Love Grows ( Where my Rosemary Goes )

The Grass Roots

GRASS ROOTS "LOVE GROWS WHERE MY ROSEMARY GOES" LIVE

Uschi Glas(ドイツ語)

Uschi Glas – Wenn dein Herz brennt (1970)

Frida(ABBA)

Fan Made:Där du går lämnar kärleken spår – Anni-Frid Lyngstad

<歌詞>

She ain’t got no money
Her clothes are kinda funny
Her hair is kinda wild and free
Oh, but love grows where my Rosemary goes
And nobody knows like me

She talks kinda lazy
And people say she she’s crazy
And her life’s a mystery
Oh, but love grows where my Rosemary goes
And nobody knows like me

There’s something about her hand holding mine
It’s a feeling that’s fine
And I just gotta say
She’s really got a magical spell
And it’s working so well
That I can’t get away

I’m a lucky fella
And I’ve just got to tell her
That I love her endlessly
Because love grows where my Rosemary goes
And nobody knows like me

There’s something about her hand holding mine
It’s a feeling that’s fine
And I just gotta say
She’s really got a magical spell
And it’s working so well
That I can’t get away

I’m a lucky fella
And I’ve just got to tell her
That I love her endlessly
Because love grows where my Rosemary goes
And nobody knows like me

[Fadeout:]
It keeps growing every place she’s been
And nobody knows like me

If you’ve met her, you’ll never forget her
And nobody knows like me

La la la- believe it when you’ve seen it
Nobody knows like me

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