はじめに
ニール・セダカ(Neil Sedaka)とハワード・グリーンフィールド(Howard Greenfield)のコンビによる作品で、キャプテン&テニール(The Captain & Tennille)がカバーした曲である。
原題は「Love Will Keep Us Together」、邦題は「愛ある限り」
50年代後半から60年代前半にかけて大ヒットを連発していたニール・セダカも、ビートルズ米国上陸からは過去の人扱いを受けるようになった。
この詳しいことは「雨に微笑みを」で触れているのでここでは省略するが、1974年に「雨に微笑みを」で全米1位を獲得して復活を果たす。
さらに続けてこの「愛ある限り」では作者として1975年全米1位、グラミー賞最優秀レコード賞受賞という快挙により完全復活したものである。
元々この曲は1973年にニール・セダカが発表したものであった。
キャプテン&テニール(The Captain & Tennille)がA&Mレコードと契約してアルバムを出す際に「何かもう1曲アップテンポの曲を探そう」ということになり、ニール・セダカの「Sedaka’s Back」を聴いてこの曲を選び、2週間のアレンジを経て発売に至った。
ニール・セダカのオリジナルは英国発売のアルバム「The Tra-La Days Are Over」に収録されたものの念願の米国発売は叶わず。やっとのことでエルトン・ジョンのレーベル「ロケット」から米国発売のアルバム「Sedaka’s Back」に収録されたものである。この辺りの詳しいことは「雨に微笑みを」において書いたので興味があれば参照されたい。
連続4週間全米No1ヒット
この曲は1975年6月21日から7月12日全米1位を獲得したばかりでなく、なんと1975年の年間ナンバー1ヒットとなった。
Hot100 23週
Top40 16週
Top10 6週
75年5月24日付けTop40の33位初登場以来のランキング推移は
33→25→12→2→1→1→1→1→8→13→17→17→13→13→19→32
となっている。
この時点で4週連続1位の記録は73年のポール・マッカートニー&ウィングス「My Love」以来2年ぶりのことであった。もう一つチャートの推移で特徴的なことはTop10から陥落した後に驚異的な粘り腰をみせ、17位から13位まで戻している。
この1975年は有力アーティストがチャート上で毎週バトルを繰り返していた年で、10㏄を中心にイーグルス、オリヴィア、フランキー・ヴァリ、そしてビージーズが抜きつ抜かれつのチャートバトルを繰り広げていた。
米国発売盤ジャケット
日本発売盤ジャケット
キヤプテン&テニール(The Captain & Tennille)
1971年にダリル・ドラゴン(Daryl Dragon)とトニー・テニール(Toni Tennille)が結成したアメリカのポップ・グループ。
キーボーディスト兼アレンジャーの「キャプテン」ことドラゴンと、ボーカリストでソングライターのテニールは共にザ・ビーチ・ボーイズのツアーに参加。ツアー終了後、デュオとしての活動を開始。
1973年に自主製作盤のレコードが評判を呼び、A&M社と契約。「君こそすべて(The Way I Want To Touch You)」(後に再発売で全米4位)、「愛ある限り」などがヒットを記録した。(Wikipediaより)
ドラゴンが「キャプテン」のニックネームになったのは、彼がいつも船長のような帽子をかぶっていた事に由来する。
二人の出会い当時の経緯をもう少し詳しく述べてみる。
ドラゴンは主にアレンジャーとしてビーチ・ボーイズと行動を共にしていた。ダリルとトニーはサンフランシスコにある劇場のロビーで初めて会った。
トニーは「マザー・アース」というミュージカルを書き、それが1971年夏にサンフランシスコの劇場で上演された。このミュージカルのキーボード奏者のピンチヒッターとしてダリルが推薦され、彼がサンフランシスコまでトニーに会いに来た。
この初対面でトニーはダリルに強く惹かれたという。
ミュージカル終了後二人はビーチ・ボーイズのツアーに同行し、ツアー終了後二人は南カリフォルニアへ戻ってデュオとして活動を始めた。
二人は1975年のバレンタインデーに晴れて結婚式を挙げた。
その直後の二枚目のシングルとしてこの曲が大ヒットした背景として幸せ絶頂の二人の気持ちを託したかのようなアップテンポの心浮き立つラブソングという偶然の一致があった。
こうして全米で大人気となったデュオは、レギュラーのTVショーを持つようになったが、80年に「愛の証」で再び全米1位を獲得した後、レーベル移籍問題などもあって活動停止状態になり、デュオの評価も歴史の中に埋もれてしまうことになった。レコード会社が同じデュオで編成も共通点の多いカーペンターズとの差は歴然という残念な状態になっている。
そしてこのおしどり夫婦もついに2014年1月熟年離婚したという。
日本の熟年離婚によくあるパターンと同じで妻トニーの方から突然一方的に宣言されたらしい。
The Captain & Tenille(キャプテン&テニール) スタジオ録音バージョン
ライブ・バージョン
作者であるニール・セダカ自身が歌っているオリジナル
少なくともこの曲に関してはキャプテン&テニールの方が力強くメリハリがあり、さすがにNo1ヒットと肯ける。
ニール・セダカ(Neil Sedaka)
作者のニール・セダカとキャプテン&テニールが競演しているバージョン
スポンサーリンク
カバーセレクション
この曲自体がカバーなのだが、他にもカバーがあるので主なものだけ紹介する。
Mac & Katie Kissoon -黒人男女のデュオ
タイトルに1973年と表記されているのが本当だとすればこの曲の大ヒットの前にほぼ同じ曲調のものが存在していたことになる。当然キャプテン&テニールも知っていたと考えられる。
Andy Williams(アンディ・ウィリアムス)
Franck Pourcel(フランク・プールセル)
Andre Popp
Wilson Pickett
Ange Fandoh
Sarah Geronimo
<歌詞>
Love, Love will keep us together
Think of me babe whenever
Some sweet talking girl comes along singing her song
Don’t mess around
You just got to be strong
Just Stop, ‘cause I really love You
Stop, I’ll be thinking of you
Look in my heart and let love keep us together
You, you belong to me now
Ain’t gonna set you free now
When those girls start hanging around talking me down
Hear with your heart and you won’t hear a sound
Just Stop, ‘cause I really love you
Stop, I’ll be thinking of you
Look in my heart and let love keep us together, whatever
Young and beautiful
Someday your looks will be gone
When the others turn you off
Who’ll be turning you on
I will, I will, I will
I will, be there to share forever
Love will keep us together
I said it before and I’ll say it again
While others pretend
I need you now and I need you then
Just stop, ‘cause I really love
youStop, I’ll be thinking of you
Look in my heart and let love keep us together, whatever
I will, I will, I will, I will
You better stop, ‘cause I really love you
Stop, I’ve been thinking of you
Look in my heart and let love keep us together, whatever
I will, I will, I will
おまけ
最後まで読んでいただいた御礼として、彼らのもう一つのNo1ヒットであるこの曲を紹介する。
コメント