はじめに
63年に全米16位のヒット曲となったこの自作曲を歌ってるのはシンガー・ソングライターのジョニー・シンバル(Johnny Cymbal)である。
原題「Mr. Bass Man」、邦題「ミスター・ベースマン」
★ジョニー・シンバル(Johnny Cymbal)のプロフィール
1945年2月スコットランド生まれ。7歳の時にカナダへ移住。12歳の時彼の父が誕生祝いにギターを贈った。
このギターが彼を歌手にするきっかけとなった。
この頃から本格的に音楽を始めた彼は、13歳で作曲を始め15歳の時にアメリカのオハイオ州クリーブランドに移住し、各種の地元音楽コンテストに出演するようになった。
そんな折、あるコンテストで認められ、1960年にMGMレコードから「Always」という曲でデビュー。
同年に続けてシングル「Bunny(いとしのバニー)」をリリースするが、どちらも大ヒットとはいえなかった。
1962年に高校を卒業しキャップ・レコードに迎えられ、翌1963年「Mr. Bass Man(ミスター・ベース・マン)」でいきなり全米16位入りする
★ミスター・ベースマンの大ヒット
若々しい18歳のジョニー・シンバルのボーカルとベース・マンの絶妙な掛け合いがこの曲の最大の魅力といえるが、作者およびアレンジャーとしてのジョニー・シンバルの才能もヒットに大きく寄与している。
ベース・マンはドゥー・ワップ・グループのヴァレンタインズ(The Valentines)でベース・シンガー、ロニー・ブライト(Ronnie Bright)であった。しかし何といってもアイデアのユニークさが光る。
★歌詞の内容
ジョニー・シンバル(Johnny Cymbal)が「ベース・マン」と呼ばれる先生にベースを教えてもらってる、といった内容になっている。
教わってるジョニーは新米という設定で、初めはベースマンの手本を真似ていても「違う違う」と言われる。
ところが曲が進行するにつれて、ベースマンの反応が「そうそう」と変化してくる。
最終的に交互に歌ったり同時に歌ったりとベースマンとのコラボ展開していく。
またアドリブ風にベースを交互に歌ったりするやりとりも、それまで見られなかった演出であった。
このように時間を要する練習の箇所を端折って、リズム感を楽しむ場面だけを取り上げるスタイルになっている。
こうした時間軸を凝縮した作詞のスタイルが新鮮であったため、米国だけでなく日本でも大ヒットとなった。
★ジョニー・シンバルの歌声と映像
日本発売盤シングルのジャケット
アメリカ発売盤シングルのジャケット
Johnny Cymbal(ジョニー・シンバル)
心臓発作で急死する5日前の1993年3月11日の映像、享年48歳
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★ミスター・ベースマン以降
ミスター・ベースマンの大ヒットのイメージが強く日本では「一発屋」に近い扱いを受けることが多い。
その後「Teenage Heaven」(全米58位)と
「Dum Dum Dee Dum」(全米77位)がチャートインした。
また坂本九が歌っていた「明日があるさ(Pack Of Lies)」を英語でカバーしてヒットさせた。
1968年に結成した「デレク(Derek)」という3人組のグループでのオリジナル曲「Cinnamon」(全米11位)が久々のヒットとなった。
続く「Back Door Man」(全米59位)がチャートインした後ソロに戻り活動したがこれといったヒットはなかった。
その後も地道に音楽活動を続け、またプロデューサーとしても活躍していたが、1993年テネシー州ナッシュビルで心臓発作により48歳という若さで急死した。
なお作曲家として「エルヴィス・プレスリー」など著名なアーティストに200以上の楽曲を提供している。
カバーセレクション
Jan & Dean
The Boppers
Sha Na Na
The Andrews Sisters
The Delltones
タイトルを変更したカバー Mr. Tenor Man – Lou Christie
Henri Salvador – Monsieur Boum Boum
「フランスで初めてロックンロールを歌った」と言われるアンリ・サルバドール(Henri Salvador)のカバー、仏題は「Monsieur Boum Boum」
The Bells
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★Mr. Bass Man(ミスター・ベース・マン)が日本でも大ヒット
この曲は全米16位と米国での大ヒットであったが、日本ではそれ以上に大ヒットとなり1位となった。当時18歳の若々しいボーカルのジョニー・シンバルとベース・マンとの掛け合いが続くこの曲はそれまでに無かった音楽の魅力を日本中に浸透させた。
日本では九重佑三子がダニー飯田とパラダイスキングのメンバーとして歌っているカバーが最も印象に残っているが他にも多くのカバーがあった。九重佑三子が夫婦で歌っている動画もアップされているが、リアルタイムで知ってる者としては違和感がある。
ダニー飯田とパラダイスキング
デューク・エイセス
ザ・ピーナッツ
ジョニー・シンバルのもう一つの日本での代表曲
「ミスター・ベースマン」と同じ低音ボーカルとの掛け合いが魅力の「僕のマシュマロちゃん」(Mashmallow)も日本ではヒットした。
「僕のマシュマロちゃん」(Mashmallow)
余談になるがジョニー・シンバルはマーセルズ(The Marcels)のフレッド・ジョンスン(Fred Johnson)をイメージしてこの曲を書いたと言われている。確かに聞いてみるとインスパイアされたと思われる。
Blue Moon – The Marcels
<歌詞>
(Bop-bop-bop singing by bass voice)
Mr. Bass Man, you’ve got that certain somethin’
Mr. Bass Man, you set that music thumpin’
To you it’s easy when you go 1-2-3
D-d-b-bop-a-bop
(You mean b-b-BOP-p-p-bop bop bop…)
Yeah! Mr. Bass Man, you’re on all the songs
B-did-did-a-boom-boom, B-dit-dit-a-boom-boom-bom
Hey Mr. Bass Man, you’re the hidden King of Rock ‘n’ Roll
D-d-b-bop-a-bop
(No no, b-b-BOP-p-p-bop bop bop…)
Oh, It don’t mean a thing when the lead is singin’
Or when he goes “Hi-yi-yi-yi-yi-yah”
Hey Mr. Bass Man, I’m askin’ just one thing:
Will you teach me? Yeah, the way you sing?
‘Cause Mr. Bass Man, I wanna be a bass man too
D-d-b-bop-a-bop
(Try this, b-b-BOP-p-p-bop bop bop…)
Oh, Mr. Bass Man, I think I’m really with it
B-did-did-a-boom-boom, a-boom-boom-b-dit-dit-dit-dit
Oh, Mr. Bass Man, now I’m a bass man too
D-d-b-bop-a-bop
(That’s it, b-b-BOP-p-p-bop bop bop…)
It don’t mean a thing when the lead is singin’
Or when he goes “Hi-yi-yi-yi-yi-yah”
Hey Mr. Bass Man, I’m askin’ just one thing:
Will you teach me? Yeah, the way you sing?
‘Cause Mr. Bass Man, I wanna be a bass man too
D-d-b-bop-a-bop
(Try this, b-b-BOP-p-p-bop bop bop…)
Yeah, Mr. Bass Man, I think I’m really with it
B-did-did-a-boom-boom, a-boom-boom-b-dit-dit-dit-dit
C’mon, Mr. Bass Man, now I’m a bass man too
D-d-b-bop-a-bop
(Bum bum bum bum… now you)
(Bum bum bum bum…You’re getting good)
(Bum bum bum bum…)
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