はじめに
筆者がポップスの魅力に目覚めポップス小僧になったのは1958年頃からで、もうプラターズ(The Platters)の名前は日本でも広く知られていた。
原題「OnlyYou(And You Alone)」、邦題「オンリー・ユー」
プラターズ(The Platters)の黄金期は1961年にトニーが脱退するまでとするのが一般的であろう。
このブログでは「オンリー・ユー」「グレート・プリテンダー」「トワイライト・タイム」「煙が目にしみる」「ユー・ネバー・ノウ」の5曲のみを取り上げる。
プラターズに関する内容はこの5つに分散させて記述しているのでプラターズ(The Platters)について知りたい方は5つまとめて読むことをお薦めする。
プラターズ(The Platters)登場
★プラターズ(The Platters)の誕生した時代背景
1950年代の米国で黒人達が街角に集まってアカペラで歌ったことから始まった「ストリート・コーナー・ミュージック」が発展して「ドゥワップ」と呼ばれるスタイルが生まれてきた。
そのスタイルをさらに発展させポップにしたのがこのプラターズの「オンリー・ユー(Only You(And You Alone))」である。
★プラターズ(The Platters)の誕生
1953年ロサンゼルスにて「ハーブ・リード(Herb Reed)」「コーネル・ガンター(Cornell Gunter)」「ジョー・ジェファーソン(Joe Jefferson)」「アレックス・ホッジ(Alex Hodge)」の4人で結成された。
グループ名のプラターズ(The Platters)はハーブ・リードが本来の意味である「大皿」から「レコード」をイメージして名付けた。
最初は音楽企業家のラルフ・バスの下にいたが、程なく「(サミュエル・)バック・ラム(Buck Ram)」がマネージャーとなった。
この頃に最初のメンバー交代があり、彼のいないプラターズはプラターズにあらずと思っている人が多いリード・ボーカルの「トニー・ウィリアムス(Tony Williams)」が加入する。
他にコーネル、ジョー、アレックスが脱退しテナーの「デヴィッド・リンチ(David Lynch)」、バリトンの「ボール・ロビ(Paul Robi)」、バスの「ハーブ・リード」、紅一点コントラル(女声最低音)の「ゾラ・テイラー(Zola Taylor)」という黄金期のオリジナル5人編成が完成する。
リーダー ハーブ・リード(Herb Reed) バス
リード・ボーカル トニー・ウィリアムス(Tony Williams) テノール
デヴィッド・リンチ(David Lynch) テノール
ボール・ロビ(Paul Robi) バリトン
女性ボーカル ゾラ・テイラー(Zola Taylor)
黄金期の編成
右端で顔だけ出しているのがマネージャーのバック・ラム(Buck Ram)
右から二番目がトニー・ウィリアムス(Tony Williams)
★マネージャーの「(サミュエル・)バック・ラム」による編成替え
バック・ラムは法律の学校を出た後にエンターテインメント・ビジネスに入った。
最初はアレンジャーとして働き、作曲や発声指導も行いまた自分のグループ「スリー・サンズ」のマネージャーでもあった。
彼がプラターズのマネージャーになると大幅なメンバー変更を実施したが特に異色の「ゾラ・テイラー」の加入は彼がプロモート中の他のグループ「シャーリー・ガンター&ザ・クイーンズ」からゾラを移したものであった。
バック・ラム(Buck Ram)
★オンリー・ユーのリリース
マーキュリー・レコードからデビュー曲として1955年リリースされたプラターズ(The Platters)の不朽の名作。
この曲はプラターズのためにバック・ラムとアンディ・ランドによって作られた。
10月にはチャートインしてR&B部門で1位(7週連続)、全米では5位というミリオンセラーとなった。
この曲は既にフェデラル・レコードで録音済みであったが、フェデラルが発売しないとしていたものをマーキュリーで再録音したリメイクバージョンであった。
この時代はR&Bの曲はすぐに白人にカバーされる傾向にあり、この曲も「ヒルトッパーズ(The Hilltoppers)」がドット・レコードからリリースし、プラターズの6週間後に全米8位まで上がった。
★ロックの殿堂入り
1990年ドゥー・ワップ・スタイルのグループとして初めてロックの殿堂入りを果たした。
プラターズ(The Platters)の動画
米国発売盤ジャケット
日本発売盤ジャケット
OnlyYou-The Platters(プラターズ) 歌詞付
1956年の映画「Rock Around The Clock」からの映像
スポンサーリンク
カバーセレクション
Louis Armstrong
ヒルトッパーズ(The Hilltoppers)
ヒットするやすかさずカバーした白人グループ。プラターズの6週間後に全米8位になった。
John Lennon & Ringo Starr
Paul Anka
Alvin & The Chipmunks
Gene Pitney
Ray, Goodman & Brown
Little Richard
Tom Sharpsteen and His Orlandos
Brenda Lee
スポンサーリンク
Bobby Vinton
Malcolm Vaughan 1956
イージーリスニングとしても最高
Franck Pourcel
日本のカバー
オリジナルの魅力を知ってると日本のカバーで聞くに堪えるのは無いのだが一応参考のために。
日本でプラターズのコピーからスタートしたのがこのグループ
ザ・キングトーンズ
徳永英明&鈴木雅之
★実力派女性メンバー「ゾラ・テイラー(Zola Taylor)」のカップリング曲
大ヒットしたデビューシングル盤の裏にカップリングされたのが、あまり知られていないが紅一点メンバーのゾラ・テイラー(Zola Taylor)が作曲しリードボーカルも務めている「Bark,Battle And Ball」である。
移籍前のフェデラル時代よりも洒落たアレンジの軽快な.サウンドになっている。わりと泥臭いドゥーワップ・スタイルで歌っている。
「ザ・クイーンズ(The Queens)」というグループに在籍していた確かな力量とスター性が伝わる。
Bark,Battle And Ball – The Platters
★Federal音源のLP
プラターズはFederal在籍中に6枚のシングル盤音源を残している。
55年に大手のMercuryレコードに移籍後に目覚しい活躍が始まった。
従って「オンリー・ユー」についてもヒットしたMercuryバージョンとは別のFederalバージョン(しかも複数テイク)が存在する。世界的大ヒットとなった後の1957年FederalレコードからLP「The Platters」(Federal549)がリリースされている。
聞きなれているバージョンとは全く異なる印象のFederal音源
Federal 12244 – 1955 + Alternate Take1
<歌詞>
Only you can make all this world seem right
Only you can make the darkness bright
Only you and you alone can thrill me like you do
And fill my heart with love for only you
Only you can make all this change in me
For it’s true, you are my destiny
When you hold my hand I understand the magic that you do
You’re my dream come true, my one and only you
Only you can make this change in me
For it’s true, you are my destiny
When you hold my hand I understand the magic that you do
You’re my dream come true, my one and only you
(One and only you)
コメント