【ムチの効果音】キサナドゥーの伝説|デイヴ・ディー・グループ

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はじめに

 日本では「Dave Dee Group(デイヴ・ディー・グループ)」と呼ばれるブリティッシュロックのヒット曲。

 「Dave Dee,Dozy,Beaky,Mick & Tich」という5人のメンバーの名前をただ並べただけのグループ名が日本独自に縮められて呼ばれていたわけである。

 元々61年に結成したグループを前身として64年デビュー。

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デイヴ・ディー・グループ

 このデイヴ・ディー・グループは聞き覚えのある名前だと思う。何故なら、彼らのヒット曲を日本のグループがカヴァーしていたからである。

 たとえば『オーケイ!』はカーナビーツが、『キサナドゥーの伝説』はジャガーズがカヴァーして日本語で唄っていた。

 だから当時の日本のファンはグループ・サウンズの曲だと今でも思っている人がいるぐらいだ。

 それほど1960年代の日本人の少年少女に馴染まれたサウンドということも言えそうであるが、そのDave Dee Group(デイヴ・ディー・グループ)とはいったいどんなグループだったのだろうか。

 日本ではデイヴ・ディー・グループ(Dave Dee Group)と呼ばれたが、正式にはデイヴ・ディー、ドジー、ビーキー、ミック&ティック(Dave Dee,Dozy,Beaky,Mick & Tich)という5人のニックネームを羅列しただけという変った名前のグループである。

 しかし、ややこしいので本国のイギリスでもデイヴ・ディー&カンパニーという名前で呼ばれ、日本ではデイヴ・ディー・グループという名前でレコードが出されたので、我々もこのような名前で覚えていた。

デビューまで

 メンバーは

ヴォーカルのデイヴ・ディー
ベースのドジー
リズム・ギターのビーキー
ドラムスのミック
リード・ギターのティック

 である。

 そもそも彼らの活動は1958年、警察学校を出たばかりのデイヴ・ディーが、ソールズベリーの友人達とデイヴ・ディー&ザ・ボストンズを結成したことに始まる。

 彼らは1962年にドイツのハンブルグのクラブで長い間唄っていた。これはビートルズを始め、当時のイギリスの多くのグループがそうだったように彼らも倣ったのだろう。イギリスに帰国後、彼らは64年に正式にデビューする。

ヒット曲

 初のヒットは1965年に発売された『ユー・メイク・イット・ムーヴ』で、この曲はイギリスのヒット・チャートで26位となった。

 だが大ヒットには恵まれず、結局、彼らの名が知れ渡るようになった曲は1967年にイギリスで4位にまで上昇した『ホールド・タイト』である。
でも日本では皆目、無名。

 それが同じ1967年に出した『オーケイ!』がイギリスで4位だったが、日本ではこの無国籍とも言える風変わりなサウンドが受けて大ヒット。日本でも有名になった。

 さらにカーナビーツがカヴァーしてヒット。日本の女の子がアイ高野の真似をして唄っていたという記憶が私の中にはある。そしてデイヴ・ディー・グループの最大のヒット曲が1968年に発売された『キサナドウーの伝説(The Legend of Xanadu)』である。

 この意味不明の題名と共に、どこの国の音楽か判らない無国籍(ラテン風ではあるが)ぶりがまたまた受けてイギリスで1位。日本でも大ヒット。

米国と日本では

 この曲は英国の他では日本でもGSブームと重なってヒットしたが、米国ではさっぱりでチャートの123位が最高位だったという。

 彼らの最大のヒット曲がこの邦題「キサナドゥーの伝説」原題「The Legend of Xanadu」であり68年に全英1位に輝いている。

 ムチによる効果音が実に印象的である。日本では「ザ・ジャガーズ」のカバーもヒットした。

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「キサナドゥー」とは

 「キサナドゥー」とはオリビア・ニュートンジョンの「ザナドゥ」と訳された曲の「Xanadu」
と同じで元帝国の夏の都に由来する東方見聞録にも登場する名称が欧州では桃源郷のイメージで使用されるようになった言葉である。

 オーソン・ウェルズの映画「市民ケーン」に出てくる大邸宅「ザナドゥ」(Xanadu)と同義の名称で、モンゴル帝国(元)の夏の都、上都(Shangdu)のことで、桃源郷「シャングリラ」のイメージを表している。

 オリビア・ニュートンジョンも「ザナドゥ」という曲を歌っていた。英米では一種の理想郷を「ザナドゥ」という言葉で表現することが多いようである。

 ただ、この歌の歌詞では「ザナドゥ」は単なる理想郷ということではなく、荒涼としていながら、どこか懐かしいような「霊魂の故郷、あるいは神聖な場所」といった意味で使われている。

 怪奇的な伝説が多いイギリスならではの雰囲気があり、エミリー・ブロンテの小説「嵐が丘」の舞台、荒涼とした高地のイメージも重なる。

 恋のために絶望的な決闘に命を懸けるというところもイギリス的である。

 歌詞はイギリス的、なのに曲調はラテン調なのか西部劇風なのかハイテンションという組み合わせ、そしてそれが見知らぬ土地への憧れや郷愁のようなものを喚起させて、大ヒットにつながったと思われる。

 「キサナドゥーの伝説」は稀に見る不思議な魅力を持った歌だった。

歌詞の内容

 この曲において「ザナドゥ」とは裏腹に恋の決闘に敗れた暗黒の世界にいる男の心情を歌っている。

 彼らのサウンドは無国籍と表現されることが多いが、この曲でもメキシコ風味のアメリアッチ系であり、「オーケイ!」ではロシア民謡風、「ザバダク」ではアフリカンロックとなっている。

 69年1月には来日している。



Dave Dee Groupの動画

Dave Dee Group

当時のTV映像

Joe Loss and His Orchestra

日本のグループサウンドがカバー

ザ・ジャガーズ


紹介するカバー曲が少ないのでDave Dee Groupのもう一つの日本でのヒット曲をおまけとしてどうぞ。きっとそういえば聞いたことあると思うはず。

「オーケイ!(Okay)」

<歌詞>

You’ll hear my voice
On the wind cross the sand
If you should return
To that black, barren land
That bears the name of Xanadu

Cursed without hope
Was the love that I sought
Lost from the start
Was the duel that was fought
To win a heart in Xanadu

Now no footsteps leave their traces
Only shadows move in places where we used to go
And the buildings open to the sky
All echo with the vultures cry as if to show
Our love was for a day
And doomed to pass away
In Xanadu
In Xanadu
In Xanadu

(Spoken)
What was it to you that a man lay down his life for your love?
Were those clear eyes of yours ever filled with the pain and tears of grief?
Did you ever give yourself to any one man in this whole wide world?
Or did you love me and will you find your way back one day to Xanadu?

You’ll hear my voice
On the wind cross the sand
If you should return
To that black, barren land
That bears the name of Xanadu

In Xanadu
In Xanadu
In Xanadu

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