【解散後大ヒット】【ため息】ふたりのシーズン|ゾンビーズ

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はじめに

 イギリスのロックバンド「ゾンビーズ(The Zombies)」の69年全米3位となった大ヒット曲。

 原題は「Time Of The Season」、邦題は「ふたりのシーズン」ロッド・アージェンド(Rod Argent)作。

 ゾンビーズ(The Zombies)は61年にキーボードのロッド・アージェンドを中心にロンドン郊外で結成された。

 64年にレコードデビューしたシングル「シーズ・ノット・ゼア(She’s Not There)」が全米2位のヒットとなりアメリカ上陸を果たす。

 67年にCBSレコードに移籍し68年に意欲的なアルバム「オデッセイ・アンド・オラクル(Odessey &Oracle)」の完成後人間関係の悪化により解散してしまう。

アルバム「オデッセイ・アンド・オラクル(Odessey &Oracle)」ジャケット

 そのアルバムからシングルカットされた「ふたりのシーズン(Time Of The Season)」が皮肉にも大ヒットとなった。そのため偽者バンドが横行したという。

 ゾンビーズのセカンド・アルバムからのシングル曲で、本国イギリスよりもアメリカでヒットして3位となり、カナダのチャートでは1位となっている。

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ゾンビーズ(The Zombies)のヒストリー

 ゾンビーズ(The Zombies)は1964年のファースト・シングル “She’s Not There” (上述)がアメリカとカナダで2位(英:12位)、

サード・シングルの “Tell Her No” がアメリカとカナダで6位(英:42位)と、

本国よりも北米で人気のあったグループである。

 日本では “Whenever You’re Ready” というシングルのB面に入っていた “I Love You” という曲を、数年後にカーナビーツというグループが「好きさ、好きさ、好きさ」という日本語の歌にしてヒットさせた。

 彼らは1967年にレコード会社を移籍して、ビートルズやピンククロイドが使ったアビーロード・スタジオでセカンド・アルバムのレコーディングを始める。

 でも途中でスタジオが使えなくなったり、レコーディング中にメンバー間の関係が悪化して、アルバムの完成とほぼ同時にバンドは解散してしまった。

 しかしアメリカ側のレコード会社CBSコロンビアのプロデューサーであったアル・クーパーがこの曲を気に入り、アメリカでシングル・カットしたところ翌年大ヒットしたという経緯(いきさつ)がある。

 アルバムのタイトル “Odyssey & Oracle” (オデッセイ&オラクル)の「オデッセイ」はホメロスの「オデュッセイアー」(オデュッセウス物語)の英語読みで「長途の旅」という意味にもなり、「オラクル」はギリシャ時代の「神託」(神のお告げ)のこと。

 サイケデリック なジャケットも含めて現在では再評価されているようだが、発売当時はアメリカのアルバム・チャートで95位になったくらいだった。

 もしアル・クーパーがプッシュしてくれなかったら、アメリカでは発売されない決定が出ていたとか。

 この曲は今でもコマーシャルなどに使われてゾンビのごとくよみがえってくるが、残念ながら歌詞の方は大した内容ではない。

 彼らはビートルズ同様おふざけで写っている写真が幾つかあり、そのふざけたグループ名によってもかなり損をしている。もう少し考えて名前を付けていたらと思われる。

 この曲のシングルはステレオ・ヴァージョンだが、オリジナルのマスターはモノラルだったらしく、後からモノラルでミックスし直したバージョンがアルバムのボーナス・トラックとして収められている。 

 はっきり言って大した違いは無い様に思えるが、こだわる方は聴き比べられたい。

シングル盤ジャケット

 

日本発売盤ジャケット

 実はゾンビーズは「Odessey And Oracle」をリリースした当時すでにグループからメンバーが3人も脱退し解散状態だった。

 しかしアル・クーパーがこの曲を気に入り、レコード会社にシングル・カットをすすめたことをきっかけに、この「ふたりのシーズン(Time Of The Season)」はアメリカで思わぬ大ヒットとなった。

 それを受け急遽脱退したメンバーを呼び戻して臨時的にバンドは再結成、その後全米ツアーを行なったという説と、リーダーのロッド・アージェントが頑なに再結成を拒んだという説とのふたつがあるようだが、実際はどうやら後者らしい。

 ’97年にUK BIG BEATから再発された「Odessey And Oracle」のアナログ盤と、’87年にUS RIHNOから初CD化された時のリマスターCD。両方とも音質バツグンだが、オリジナルのアナログ・マスター・テープからカッティングされたとの記載がある’97年のアナログ盤の方はさらに音質が上がっていて非常にクリア。

 バンド名に似合わない知的なサウンドというのが一般的な評価で、この曲に関してはイントロのため息が実に印象的に使われている。

 解散後にリリースされたアルバム「オデッセイ・アンド・オラクル」は90年代から再評価され、現在でも高く評価されている。

 この時期はモノからステレオへの移行期でマニアックな人はレコードを買うにも同じアルバムのモノ盤とステレオ盤を聴き比べて悦に入っていることがある。ここにもそんな人の話が面白い(小生は理解できません)

 日本ではそれまでコロムビア・レコードが配給していたCBS Columbiaレーベルが’68年に当時設立間もないCBSソニー・レコードに移り、そこから’69年に発売されたシングルは、所謂ドーナツ盤ではなくレーベルがソリッド・センターになっている。

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The Zombiesの歌声と映像

Time Of The Season-The Zombies


1969年

05年TV映像

カバーセレクション

The Guess Who

Dave Matthews Band

Haley Reinhart & Casey Abrams 2018



Phillip Phillips

Freedom 1969

日本のカバー

日産自動車「ティーダ」のCM

<歌詞>

邦訳の要旨

 恋をしたくてウズウズする季節がやってきたね。君を灼熱の太陽の下に連れ出して、楽園に連れて行ってあげたいよ。

 何たって愛し合うには最高の季節だからさ。君の名前は何ていうの?

 恋人はいるのかい?

 その恋人は僕みたいにお金持ちなのかな?

 君に贅沢をさせてくれる男なのかい?

 君のことをいろいろと知りたいな。せっかくの恋の季節だもの。

原詩

It’s the time of the season
When love runs high
In this time, give it to me easy
And let me try with pleasured hands

(To take you in the sun to) Promised lands
(To show you every one)
It’s the time of the season for loving

What’s your name? (What’s your name?)
Who’s your daddy? (Who’s your daddy?)
(He rich) Is he rich like me?
Has he taken (Has he taken)
Any time (Any time)
(To show) To show you what you need to live?

(Tell it to me slowly) Tell you what
(I really want to know)
It’s the time of the season for loving

What’s your name? (What’s your name?)
Who’s your daddy? (Who’s your daddy?)
(He rich) Is he rich like me?
Has he taken (Has he taken)
Any time (Any time)
(To show) To show you what you need to live?

(Tell it to me slowly) Tell you what
(I really want to know)
It’s the time of the season for loving

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