はじめに
カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞し、クロード・ルルーシュ(Claude Lelouch)監督の名を世界に知らしめた66年のフランス映画「男と女(Un homme st une femme)」の主題歌。英語名「A Man And A Woman」日本公開も66年
ルルーシュとレイの名を一気に世界に広めた
クロード・ルルーシュの盟友であるフランシス・レイ(Francis Lai)が音楽を担当し「ダバダバダ」のスキャットが全編に流れるこの主題歌が有名となり、後に様々なアーティストにカバーされている。
歌っているのは出演も作詞もしているピエール・バルー(Pierre Barouh)と、「愛と哀しみのボレロ」「個人教授」のニコール・クロワジール(Nicole Croisille)である。
当時殆ど無名だったクロード・ルルーシュとフランシス・レイを一気に世界的に有名にしたこの映画はわずか6名の撮影スタッフで、たった21日間で撮ったもの。しかも資金不足の苦肉の策でパートカラーとしたことが皮肉にも効果を挙げた。
フランシス・レイ(Francis Lai)
作曲者のフランシス・レイ(Francis Lai)は32年南仏ニースの生まれ。アコーディオン奏者としてマルセイユのキャバレーなどで演奏していたが、パリに移って詩人ベルナール・ディメとともにシャンソンを作り始め、彼らの曲はイブ・モンタンやジュリエット・グレコ、エディット・ピアフに取り上げられるようになる。
ピアフの死後、彼は当時シンガー・ソングライターとして活躍していたピエール・バルーと出会いコンビを組む。こうして二人は28歳のクロード・ルルーシュと出会い「男と女」のボサノバ風でお洒落なフレンチ・ボッサの名曲が生まれた。
67年ゴールドディスク獲得。大の飛行機嫌いで、海外公演が少ないことでも知られる。
この映画は音楽先行という珍しい手法がとられた
この映画は先にフランシス・レイが音楽を作り、それにルルーシュがフイルムを編集して合わせるという珍しい手法がとられている。またこの映画の音楽担当にはブラジルのギター名手バーデン・パウエルも加わっている。
CルルーシュとFレイの二人のコンビはこの映画の後も
「パリのめぐり会い」(67年)
「白い恋人たち」(68年)
「ある愛の詞」(70年アカデミー作曲賞)
「雨の訪問者」(69年)
という素晴らしい作品を残している。
この曲は4拍子と3拍子を巧みに組み合わせた典型的な変拍子の名曲中の名曲と解説しているサイトがあった。残念ながら僕の知識では手に負えない。
フランス語の歌詞とその日本語訳がここにある。
ピエール・バルー&ニコール・クロワジールでのいくつかのバージョン
この時期は丁度モノラルからステレオへの切り替りで、この曲のサントラ盤については両者が混在する上、フランス語盤と英語盤も混在するというややこしさである。
Nicole Croisille et Pierre Barouhのオリジナル
映画の映像が鮮明 予告編
二人が一緒に歌っている貴重な映像
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フランシス・レイは自らの楽団以外にも様々なバージョンを残している
Francis Lai インスト・ヴァージョン
アップテンポな歌詞無しのスキャット・ヴァージョン
<削除された>
(後編につづく)
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