はじめに
ハル・デヴィッド(Hal David)作詞、バート・バカラック(Burt Bacharach)作曲の黄金コンビにより作られ、BJトーマス(B.J.Thomas)が歌って、1970年1月3日に全米1位獲得しそれから4週連続で1位を維持した。
また1970年の年間ランキングでも1位(ネット上では4位とする説もある)となっている。
原題「Raindrops Keep Fallin’ on My Head」、邦題「雨にぬれても」
1969年公開の映画「明日に向かって撃て(原題Butch Cassidy And The Sundance Kid)」の挿入歌に使われ、1970年アカデミー賞主題歌賞と作曲賞を獲得している。
ゴールド・ディスク。米国でのリリースは1969年10月14日、日本は1970年1月25日。
B.J.Thomasに決まるまでたらいまわしの曲だった
当初バカラックはこの曲をレイ・スティーヴンス(Ray Stevens)に歌わせるつもりだった。
しかし彼が断わり(歌いたいタイプの歌ではないことと、映画も気に入らなかったらしい)、他にもエディ・アーノルド、果てはボブ・ディラン(Bob Dylan)まで歌う候補に上がったが、次々と断られ、最終的には同じセプター・レコード(Scepter Records)のディオンヌ・ワーウィックの推薦でB.J.に落ち着いたという。
ちなみに日本盤はテイチク。レコーディング当日B.Jは喉の痛みがひどく、ドクター・ストップがかかりそうになったが治療の上で掛け合って何とかOKが出た。5回目のテイクでバカラックがやっとOKを出したという。
歌っている歌詞の内容は「人生の中では、良い時、良くない時があるけれど、うまくいかない時だって、そんなには長く続かない 自由である限り、何も心配はない…」とそのようなことを歌っている。
BJトーマス(B.J.Thomas)の動画
映画のポスター(日本公開版)
B.J.Thomas(B・J・トーマス)
ライブ映像(最近のものと当時のもの)
映画「明日に向かって撃て!」
ポール・ニューマン(Paul Newman)とスティーブ・マックイーンが折半して買い取った脚本だったが、都合で降板したマックイーンに代わって、無名だったロバート・レッドフォード(Robert Redford)が出演。
映画の大ヒットと共に彼が一躍スターへと駆け上がった作品である。
監督はジョージ・ロイ・ヒル(George Roy Hill)。この3人で次の映画「スティング(Sting)」(1973年)を作ることになった。
映画ではブッチ・キャシディ役のポール・ニューマンとエッタ・プレース役のキャサリン・ロス(Katharine Ross)が、自転車に乗ってデートをするシーンで使われた。
映画「明日に向って撃て!」の中で歌われている挿入歌の部分
もう一つ映画から
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日本では話題になりにくいBJトーマス(B.J.Thomas)
日本ではこの曲だけで知られているので一発屋だと思っている人が多いはずだが、アメリカでは多数のヒット曲を出しており、1975年には2曲目のNo1ヒット「(Hey Won’t You Play)Another Somebody Wrong Song(心にひびく愛の歌)」でグラミー賞を獲得している。
また山下達郎のお気に入りシンガーとしても知られている。
米国オクラホマ州で1942年8月生まれ、テキサス州ヒューストン育ち。従って27歳の時の曲ということになる。レコードデビューは1966年。ヤマハの世界歌謡祭で来日したようだが、記憶にない。
高校卒業後教会の賛美歌隊活動をしてその後66年からはいくつかレコードも出していた。
(Hey Won’t You Play)Another Somebody Wrong Song(心にひびく愛の歌)
本名はBilly Joe Thomas。当時カントリー歌手で似た名前(Billy Joe Royal)がいたのでB.J.と縮めたという。
1966年のデビューアルバムから、Hank Williamsのカバー「I’m So Lonesome I Could Cry(泣きたいほどの寂しさだ)」が全米8位となった。
I’m So Lonesome I Could Cry(泣きたいほどの寂しさだ)
上記2曲の他にもいくつも名曲を残しており、その一つがスティービー・ワンダーの「Happier Than the Morning Sun」で、軽快なギターをバックにさらっと歌っている。そしてそのスティービーがハーモニカで参加している。この曲は後に「イタリアン・グラフィティ」でカバーされた。
Happier Than the Morning Sun
上のレコード・ジャケットでわかるように、この曲のヒット当時のB.J.トーマスの容姿は非常に端整な顔立ちであったことから、映画界への誘いもあったようだが、彼はそれを一切断っている。
カントリー系に数えられることが多いが、元々は教会歌手上がりであり、コテコテのカントリー歌手という訳ではない。
マン&ウェイル(Barry Mann & Cynthia Weil)などの洗練された曲も多く歌っている。ホワイト・ゴスペル系のAOR歌手というか、今もコンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック(CCR)の分野で活動している。
70年代後半以降はTop40チャートに出てこなくなったが、カントリー・チャートやゴスペルの世界で活躍しているという。
2013年にはセルフ・カバー・アルバム「THE LIVING ROOM SESSIONS」をリリースするなど健在である。
このアルバムの中でバカラック作品は2曲で、そのうちの一つがこの曲である。アレンジはオリジナルに近いがカントリーっぽい味付けで、ライル・ラヴェット(Lyle Lovetto)とのデュエットとなっている。
エド・サリバン・ショーに出演した時の映像。頭から水を掛けられている。

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