【執念のヒット】ロック・アラウンド・ザ・クロック|ビル・ヘイリー

A--E
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はじめに

 1954年に発売されたロックンロールの最初で最大のヒット曲。

 ビル・ヘイリー・アンド・ヒズ・コメッツ(Bill Haley and His Comets)のこの曲は映画「暴力教室」のオープニングに使用され55年ビルボード8週連続1位という大ヒットとなった。

 作詞はジェイムズ・E・マイヤーズ(James E Myers)、作曲はマックス・C・フリードマン(Max C Freedman)世界中で2500万枚を売り上げたという。

 しかし発表当初の反応は芳しくなく、爆発的なヒットを獲得するまでは紆余曲折があった。

 ビル・ヘイリー(Bill Haley)のデビューからその後の人生にフォーカスを当てた「ビル・ヘイリーのデビューからその後」については別記事にまとめて記載する。

 当時マイヤーズは30代だったが、フリードマンは60代にさしかかりつつあった。10代の若者音楽として歴史に残る曲をこのような二人が作ったのだ。

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この曲の誕生と時代背景

 必ずしもこれが世界で最初のロックンロールだったというわけではない。

 だが、ロック時代の幕を開けた曲として後世に語り継がれているのは、ビルボードで1位になって全世界にロックンロールを広めたからである。

 ジェイムズ・E・マイヤーズとマックス・C・フリードマンという2人の作曲家が白人シンガー、ビル・ヘイリーのために書いたこの曲は1954年4月12日に発売されるも、大してヒットしなかった

 というのもレコード会社がこの曲はヒットしないと判断してシングルのB面に回したからであった。

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ロック誕生前夜

 元々ヒルビリーと呼ばれたカントリー・ミュージックなど白人音楽とブルース/R&Bといった黒人音楽が融合して生まれたとされるロック・ミュージックだが、いつどこで誰が最初にその音楽的融合を試みたのかは定かではない。

 もちろん諸説あるが、ロックンロール生誕の地アメリカで、ロックンロール第一号レコードとして広く認められているのは、1951年4月にリリースされたジャッキー・プレストン&ヒズ・デルタ・キャッツの「ロケット88」である。

 発売2か月後にR&Bチャート1位に輝き5週連続居座ったこの曲は、いわば黒人側からのロックンロールだった。早速便乗してカバーした白人シンガーがカントリー・ミュージックを歌っていたビル・ヘイリー(Bill Haley)である。彼のカバー盤は不発に終わった。

この曲がレコード発売に至るまでの紆余曲折

 1953年夏にはバンドレパートリーに加わり、人気の曲となっていたことはこの記事の後半で述べている。

 ところがヘイリーのレコード会社社長デイブ・ミラーとジミー・マイヤーズが不仲だったため、ヘイリーは人気の「ロック・アラウンド・ザ・クロック」を録音することが出来なかった。

 仕事ではジミー・デナイトという名前を使うジミー・マイヤーズは次のように語る。

『マックス・フリードマンと一緒にこの曲を作ったとき、ビル・ヘイリーが念頭にあった。彼にこの曲を提供した時、彼はとても喜んだ。すぐに自分のための曲だとわかったんだ。』

 デイブ・ミラーが録音してくれないので、マイヤーズは別のレコード会社をあたった。さらにマイヤーズは語る。

『「Sunny Dae and His Knights」が最初に録音したんだ。地元では結構ヒットしたが、そのレコード会社は全国への配給網がなかったんだ。』

 マイヤーズはさらに自分でもビッグバンドで録音した。

 こうしてビル・ヘイリーは1953年末にエセックス・レーベルとの契約が切れるのを待たねばならなかった。

発売当初はヒットしなかった「ロック・アラウンド・ザ・クロック」だが

 ビル・ヘイリーと彼のコメッツを1954年4月にマイヤーズはデッカ・レコードと契約させ、ベテランのプロデューサー、ミルト・ギャブラー(Milt Gabler)に引き渡した。彼は10年前ビル・ヘイリーをジャズ歌手から失恋を歌う歌手へと転向させた人物である。

 歴史的ヒット曲の最初の録音セッションは、以前ダンスクラブだったビシアン・テンプルで行われた。まだステージが残っており、まるでコンサートを行っているかのような雰囲気を出すことが出来た。

セッション・メンバー

ダニー・セドロン(Danny Cedrone)  ギター

ビリー・ウィリアムソン(Billy Williamson) スティール・・ギター

ジョニー・グランデ(Johnny Grande) ピアノ&アコーディオン

マーシャル・ライトル(Marshall Lytle) ベース

ジョーイ・ダンブロージオ(Joey D’Ambrosio) サックス

 ドラマーは大きなビートサウンドを強調したかったプロデューサーが自分のセッションドラマーのビリー・グサック(Billy Guesak)を連れてきた。

 ジミー・マイヤーズによると、デッカはこの曲を好きではなく、売れないと思ってB面に入れた。

 デッカは1954年当時この種の音楽をどう呼んでいいのかわからず、フォックス・トロットと呼んだ。

 1954年5月29日、一週間だけトップ40に入った。(23位)

 これだけの結果で歴史の中に埋没しそうになり、マイヤーズは自身でプロモーションに動いた。

 『デッカがあの曲をお払い箱にしようとしているのがわかったので、トランクに荷物を詰めて、6週間か8週間、車であちこちを周った。ラジオのアンテナを見つけるごとに、ラジオ局に飛び込んだ。DJたちは正しい面をターンテーブルに乗せてくれた。フィラデルフィアに戻ってくるまでにレコードが売れ始めた。それからハリウッドで知っている名前の人ごとに200枚ずつレコードを送ったんだ。幸いなことに「暴力教室」で使ってくれることになった。』

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執念が奏功した全米1位

 こうしたマイヤーズの執念のプロモーションが功を奏し、デッカはこの曲を再発し、まるで新しいレコードでもあるかのように販売業者やDJたちに配給した。1955年7月9日に1位となり、9月まで君臨した。

 この曲のダニー・セドロンによる速弾きはロックンロール史上最も有名なギターソロの一つだが、セドロンはその栄光にあずかる前に1954年夏に心臓マヒで亡くなった。

 

 

Bill Haley & His Comets(ビルヘイリーと彼のコメッツ)

1955 オリジナル

これも映画かTVの映像と思われる

 歌と演奏よりも踊っている人達の方が目立っている。

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<歌詞>

One, two, three o’clock, four o’clock rock
Five, six, seven o’clock, eight o’clock rock
Nine, ten, eleven o’clock, twelve o’clock rock
We’re gonna rock around the clock tonight

Put your glad rags on, join me, Hon
We’ll have some fun when the clock strikes one
We’re gonna rock around the clock tonight
We’re gonna rock, rock, rock, ‘til broad daylight
Wer’re gonna rock, gonna rock around the clock tonight

When the clock strikes two, three and four
If the band slows down we’ll yell for more
We’re gonna rock around the clock tonight
We’re gonna rock, rock, rock, ‘til broad daylight
We’re gonna rock, gonna rock around the clock tonight

[Instrumental Interlude]

When the chimes ring five, six, and seven
We’ll be right in seventh heaven
We’re gonna rock around the clock tonight
We’re gonna rock, rock, rock, ‘til broad daylight
We’re gonna rock, gonna rock around the clock tonight

When it’s eight, nine, ten, eleven too
I’ll be goin’ strong and so will you
We’re gonna rock around the clock tonight
We’re gonna rock, rock, rock, ‘til broad daylight
We’re gonna rock, gonna rock around the clock tonight

[Instrumental Interlude]

When the clock strikes twelve, we’ll cool off then
Start a’rockin’ round the clock again
We’re gonna rock around the clock tonight
We’re gonna rock, rock, rock, ‘til broad daylight
We’re gonna rock, gonna rock around the clock tonight

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